オトコの好奇心が深まる1冊をご紹介!

ビジネスはどう変わる?

2012.04.09 MON


『ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書』 アレックス・オスターワルダー、イヴ・ピニュール・著、小山龍介・訳/翔泳社/2604円
みんなで手を動かして
ビジネスモデルを創る

よくできたハンドブックである。この本のコンセプトは、ビジネスモデルを構築する汎用的なツールを提供することにある。で、その中核的なツールは、本書で紙数を割いて紹介している「ビジネスモデルキャンバス」というものだ。

でかい模造紙を、「パートナー」「主要活動」「価値提案」「コスト構造」など9つのブロックに区切り、そこにポストイットなどを使って、アイデアや着想を書きこんでいく。そうやって、企画中のビジネスモデルを立体的に図解することで、議論や分析を深めていくわけである。

本書の便利なところは、この「ビジネスモデルキャンバス」を用いて、アップルのiPod、レゴ、任天堂のWii、無料携帯電話といった様々なサービスを、典型的なビジネスモデルのパターン別に整理している点だろう。たとえば、アップルは「音楽関係の収益のほとんどを、iPodを販売することで得て」おり、「オンライン音楽ストアとの統合は、競合から自らを守るため」の戦略だという。この一点だけでも、ビジネスモデルの重要性はおわかりだろう。

後半では、ビジネスモデルをデザインする実践的なテクニックや、ビジネスを具体化していくうえでの戦略やプロセスまでがカバーされている。よほどの専門家をめざすのでないかぎり、本書1冊で「ビジネスモデル」の理解は必要十分。

あとは、同僚やチームのメンバーと一緒に手を動かすことで、“ビジネスモデル脳”はみるみると活性化していくに違いない。

  • 常識の裏をいく仕事論

    『小さなチーム、大きな仕事 [完全版]』
    ジェイソン・フリード、デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン/早川書房/1575円

    著者の2人は、ソフトウェア開発会社「37シグナルズ」のCEOと共同経営者。驚くことに、この会社では、十数人の社員が2大陸、8つの都市にちらばって働いている。本書は、そんな彼らのワーキングポリシーをまとめたもの。失敗からは大して学べないとか、強豪相手が何をしているかなんて気にしないとか、常識の逆をいくメッセージが満載。じつにクールな自己啓発書だ。
  • ゲーム化するビジネス

    『ゲーミフィケーション 〈ゲーム〉がビジネスを変える』
    井上明人/NHK出版/1470円

    流行語の兆しを感じさせる「ゲーミフィケーション」を丁寧に解説した1冊。研究者の著したものだけあって、いたずらに煽ることなく、ゲーミフィケーションの進化や具体的な実践のヒント、さらに配慮を必要とすべき点まで、冷静な筆致で目配りよく整理している。具体的な事例も多く、それらを通覧するだけでも、ビジネスのゲーム化が広がりつつあることを実感できる。
  • 「働き方3.0」とは何か?

    『だから、僕らはこの働き方を選んだ 東京R不動産のフリーエージェント・スタイル』
    馬場正尊、林厚見、吉里裕也/ダイヤモンド社/1575円

    ユニークな物件サイトとして知られる東京R不動産は、働き方も物件同様にユニークだ。なんと、そこで働く人の多くは、「『会社員』でもなく『独立したフリーランス』でもない」フリーエージェント・スタイルで働いている。報酬の決め方やモチベーションの保ち方など、新しい組織運営のあり方として興味深い。筋の一本通った仕事哲学としても読み応えがある。
ビジネスはどう変わる?

※フリーマガジンR25 neo「R25的ブックレビュー」より

斎藤哲也=文

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