中米グアテマラでニーズ発見

世界一周で起業のタネを見つける法

2012.04.23 MON


昨年1月、働いていた会社を辞めて世界一周の旅に出発した有村拓朗さん。その後、旅の途中で立ち寄った中米・グアテマラで、Skypeを使った格安のスペイン語学習サイト「スパニッシモ」を開設。現地に暮らしながら、同サービスを運営する。しかし、なぜ会社を辞めてまで世界一周に…?

「世界で起きている問題を、自分の目で見たかったというのが最大の理由。現地で暮らしながら本当に必要とされているものを見極め、そこで感じた課題をウェブサービスで解決したい、社会を変えるきっかけにできたら…と思ったんです」

旅に出ることに不安はなかったのかと聞くと、「ビジネスの対象になり得る“課題”が見つかるかという不安はありましたね。でも、旅自体には少しも不安はありませんでした」という答えが返ってきた。

「学生時代、自分の大学のポータルサイトを運営していたんです。キャンパス内でイベントを実施したり学生への取材をしたり。こうした活動を通じて、誰かに刺激を与える楽しさを知りました。世界一周に出たのも、世界の社会問題をドキュメンタリーにしてウェブ上で公開し、同世代の人に刺激を与えたい、というのが原点なんです。だから、ワクワクの方が大きく、不安はほとんどなかったんです」

その取材の中で、心にひっかかったのが、グアテマラのスペイン語教師の雇用問題だったという。

「僕はグアテマラでスペイン語を習っていました。先生たちに話を聞くと、観光客が多い時期は教師の仕事があっても、閑散期は別の仕事で生計を立てなければならないという、かなり苦しい生活が見えてきたんです。前職が求人ビジネスの営業マンで雇用問題に敏感だったこともあり、なんとかこの状況を打開できないかと『スパニッシモ』の立ち上げを決意しました。ウェブを通じた語学教育サービスなら、世界中を“マーケット”と捉えることができ、より多くの顧客を獲得することが可能。そうなれば、観光シーズンの波に左右されず、安定的な雇用を期待できると思ったんです」

当然、日本とは働き方や文化の違いもあり、苦労することも多い、と有村さん。「でも、僕のビジネスを通じて先生たちに安定した給料が入れば、そんな苦労を帳消しにするくらいうれしいんですよ」と、楽しそうに語る。


現在のビジネスパートナーであり、ともに旅を始めた仲間が、グアテマラの別の町にいるという。また、日本でサイトのシステム管理や営業面を支えてくれる人もいるのだとか。パートナーと遠く離れていて、やりにくくないのだろうか。

「クラウド環境も整備されてきたしビデオチャットもあるので、仕事上のやり取りに不便は感じません。距離が離れていても、思いを共有できていれば一緒に働けます。ただ、新たな“仕事仲間”とは一度直接会って話がしたいので、近々帰国する予定です。顔を合わせることで、その後の親近感や結束力がグッと強くなると思うんですよ」

最後に、日本で働いていたときとの違いを聞いてみると…。

「視野が広くなりました。どういう会社、どういう世界を作っていきたいか、そのために自分は何をするべきか、具体的に考えられるようになったと感じますね」

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