会社から訴えられることもあるらしい

「仕事のミス」の賠償責任はアリ?

2012.05.17 THU


ミスは誰にでも起こり得るもの。そのリスクは使用者が負うべきとの考え方があり、余程の過失がない限り抵抗してみる余地はありそうだ
イラスト/牧野良幸
仕事でミスって、会社に損害を与えてしまった。上司からお叱りを受けるくらいで済めばいいが、場合によっては損害賠償を求められるケースもあるようだ。だが、人間である以上、時にはミスもするだろう。そのつど弁済させられてはたまらない。そもそもサラリーマンは仕事上のミスに対し、法的にはどこまで賠償責任を問われる可能性があるのか?

「従業員のミスで発生した損害金を誰がどのくらい負担するかについて、労働基準法には明確な定めがありません。したがって、ミスが起こった背景や状況を総合的に判断し、雇用主と従業員が公平に負担するのが一般的です」(日本労働組合総連合会・扇谷浩彰氏)

負担の割合は「ミスが事業に対しどれくらいの悪影響を及ぼすか」「労働環境は適切なものだったか」など、様々な状況を加味したうえで判断される。過去の裁判例では、従業員側の情状を酌量し、会社側が求める弁済額よりも減額されるケースも少なくない。例えば、従業員が売上代金の請求書作成を怠ったことで約800万円の損害金が発生してしまったケース。会社側は従業員に対し損害金の全額を支払うよう求めた。だが、従業員の過重労働や会社側の体制の不備などを考慮し、賠償額は4分の1に当たる約200万円にとどまっている(「N興業事件」東京地方裁判所)。

「そもそも雇用主には従業員のミスによる損害もリスクとして負う責任があります。例えば従業員が不注意でお茶をこぼし、会社のパソコンを故障させたとします。その場合、全額を従業員に負担させるのは適当ではありません」(扇谷氏)

扇谷氏によれば、故意のミスや不正は論外だが、やむを得ない失敗ならある程度は従業員側が保護される可能性が高いという。もしミスをして会社に莫大な賠償金の支払いを迫られたら、まずは労働組合や各都道府県の労働局に相談してみるといいだろう。
(榎並紀行)


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