打倒サムスンを掲げるiPhone生産工場

台湾「ホンハイ」ってどんな会社?

2012.06.07 THU


中国・深センにある工場での求人には募集のたびに数千人の長蛇の列ができ、その長さは1kmを超すことも。同工場では約40万人が働き、今年の2月にも1200人の募集を行った。人気の理由は給与の高さ。深センの最低賃金が月額1500元(約1万8500円)であるのに対し、2月募集時は基本給で1800元(約2万2200円)、試用期間後2200元以上と高給。また、既に2013年下半期には4400元まで給与を引き上げる予定で、一部工場ではホンハイと同水準の給与を求めてストが起きたりと中国の製造業全体への影響が懸念されている
画像提供/Imaginechina/アフロ
大手電機メーカー、シャープとの電撃的な提携で、その名が知られるようになった台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業。そんなメーカーがアジアにあったのか、と改めて驚いた人も多かったかもしれない。売上高は日本円で約10兆円にもなる。グループ従業員数は約100万人。驚くべきはその成長力で、07年からのわずか5年間で、すでに兆円単位だった売り上げが倍増しているのだ。

英名ではフォックスコンと呼ばれるが、これだけの企業なのに、そんなブランドの商品は見たことがないなぁと思う人も少なくないはず。ホンハイの事業は、EMS(電子機器受託製造)。他のメーカーの依頼で、生産だけを手がけている企業。いわば“黒子企業”なのだ。

あのアップルのiPhoneやiPadの生産もホンハイが一手に引き受けているといわれている。それだけではない。インテルやデル、HPなどのアメリカのIT企業、さらには日本のソニーや任天堂なども顧客に名を連ねているとされており、スマホ、パソコン、ゲーム機、液晶テレビなどの、“世界最大の工場”だというのだ。

設立は1974年。テレビの部品製造に始まる。90年代から中国に進出し、巨大な工場群を展開。00年代から、パソコンや携帯電話など電子機器の組み立てを受託する現在の業態に注力し、躍進が始まった。工場のほとんどは中国にある。創業者の郭台銘(テリー・ゴウ)が、今も経営を担う。

各製品分野で主要メーカーのほとんどを顧客にする営業力。ライバル会社同士が顧客になることもあるが、信頼を決して裏切らない徹底した秘密主義。大量の部品調達による購買力。さらに、猛烈なスピードで製品を量産ラインに乗せていく数万人もの金型技術者…。ホンハイはこうした圧倒的な強みを背景に、今も成長を続けている。

ホンハイなんて知らなかった、という人も、実はその“製品”はすでに持っているかも。
(上阪 徹)


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