夏本番!前から夏物バーゲンしてたワケは?

セール開始時期 後ろ倒しの裏事情

2012.07.05 THU


実際の季節感と販売時期がずれるのは販売期間を長くするため。その時期に必要なものだけを売っていたら販売機会が減ってしまうのだ
画像提供/AFLO
5月、一部の大手百貨店と駅ビルが夏のバーゲンセールを2週間遅らせ、7月13日から開始すると発表した。その狙いとは?

「夏物衣料が最も売れるのは7月上旬。そんな販売最盛期に安売りが始まるのはおかしい、ということでしょう。小売りもメーカーも、値下げは収益を圧迫しますから」(アパレルメーカー社員)

去年までは、多くの店が7月頭から、早いところでは6月末から、セールを行っていた。そもそも、なぜ本格的な夏が到来する前から夏物のセールをしていたのか。

「理由は長引く不況です。小売りもメーカーも、最大の恐怖は在庫。残すと最終利益を圧迫しかねないので、早く売り切りたい。そこで集客の起爆剤となるセールを競合に先駆けて実施しようと、前倒し競争が起きてしまったのです」

だが、セール時期を早めたことで弊害も出てきた。

「セールで買えばいい、という顧客が増えて収益力が落ちたことに加え、正価で買う顧客から不満の声が上がるようになったんです」

そのためメーカーは、いろいろな知恵を絞ってきたという。

「正価で売りたい製品の生産数を絞り込むメーカーが増えた。さらに正価で購入した顧客から不満が出ないよう、セールで廉価販売する製品をあらかじめセール用として別に用意する店も出てきた。こうすれば売れ残った在庫を処分するために大幅値引きを迫られるリスクを減らせるし、正価で買ってくれた優良顧客の不満も防げる」

では、賢いセール利用法はあるのだろうか。

「モノによって30%引き、50%引きと違ったりしますが、それはその商品の価値をメーカーや店がどう見たかの証。割引率が多いほどおトクというわけではない、ということは言えるでしょうね」

価値あるものが割引されていることに意味がある、ということ。割引率だけに目を奪われるのは要注意、のようである。
(上阪 徹)


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