オトコの好奇心が深まる1冊をご紹介!

地理から社会が見えてくる

2012.08.02 THU


『山岡の地理B教室──大学受験地理 PARTI、II』 山岡信幸/東進ブックス/PARTI 1155円、PARTII 1260円
地理の面白さにハマれる
名講義を活字で再現

近年、社会人向けの歴史入門書は活況を呈しているが、同じく社会科の一科目である地理に関しては、工夫に富んだ地図帳こそ数多く出ているものの、高校生レベルの内容を復習するのに適した本は意外と少ない。
でも、国内はもちろんのこと、海外のニュースや世界の情勢を読み解くにあたって、地理の基礎的な知識は、とても役に立つ。学生時代に地理を学び損ねた人、あるいは勉強したけど内容をすっかり忘れてしまった人は、本書で地理に再入門してみてはどうだろう。
本書は、大学受験生向けの参考書ながら、細かい知識の暗記よりも、地理を「理解」することに重点が置かれている。たとえば、中東地域に油田が多いのはなぜか。南北のアメリカ大陸やオーストラリア大陸の農業の特徴はどのようなものか。そういうことがわかると、経済や産業のニュースの理解度が一段も二段も深まってくる。
じつは、民族問題や環境問題、人口問題も地理がカバーしている範囲であり、地理という科目は、僕らが思っている以上に、地球上で起きている様々な問題を学べるということも、本書を読んでの再発見だった。
初心者向けの講義の内容を活字化しただけあって、読みやすさは抜群。PARTIとIIを合わせても、1週間から10日で読み通せるボリュームだ。著者のブログには、最新の情報がアップデートされているので、そちらも参照するといいだろう。
そうそう、本書を読む際は、地図帳を用意するのがオススメ。両者と併用することで、地図帳にもきっと親しみがわいてくるから。

  • あなたの知らない国々

    『国マニア 世界の珍国、奇妙な地域へ!』
    吉田一郎/ちくま文庫/714円

    この星の広さを実感させる好著だ。国土が沈没しつつあるツバル、資源のおかげで100年近く国民が遊び暮らしたナウル共和国、まさに絶海の孤島のピトケアン島…こんな個性が強すぎる国々や地域が次々と紹介されていく。歴史に翻弄されたところも多く、地球に刻まれた年輪も感じ取れるはず。地球儀や世界地図には、僕らの知らない国がたくさんある。
  • どこまでが日本?

    『日本の国境』
    山田吉彦/新潮新書/714円

    近年、尖閣諸島や北方領土などで国境をめぐるトラブルが頻繁に報じられている。一体、何がこじれているのか? それを把握するために、この日本の国境をしっかり認識することから始めよう。本書は、海洋国家としての日本の姿を示したうえで、対馬や竹島の歴史的背景や現場の状況をリアルに伝えている。2005年刊行のものではあるが、むしろ今こそ手にすべき1冊。
  • ディスカバー・ジャパン!

    『読むだけですっきりわかる 日本地理』
    後藤武士/宝島SUGOI文庫/480円

    知ってるつもりで意外と知らないのが、自分の国のこと。本書を読んで、日本を再発見してみよう。日本各地の具体的な地形から観光地や名産品までを取り上げつつ、楽しく案内してくれる。夏休みの旅先探しにも最適だ。本書には「地図&図解版」も出ていて、こちらはビジュアルの要素も満載。併せて読めば、この国のかたちがより立体的に見えてくる。
地理から社会が見えてくる

※フリーマガジンR25 312号「R25的ブックレビュー」より

斎藤哲也=文

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト