麺、パンから肉類、卵、果てはガソリンまで

食料価格上昇で僕らの生活がピンチ

2012.10.04 THU


例年であれば7月下旬には2m程度まで生育しているトウモロコシだが、今年は6月以降の干ばつで、その半分にも達していないという
画像提供/時事通信社
食品がじわじわと値上がりしている。食用油は、今年に入って3度値上げしたメーカーも。大豆など原料の高値が続いているためだが、今後はさらに幅広い食品で値上げが行われそうだ。

背景にあるのが、トウモロコシや大豆などで世界の生産量の4割を占めるアメリカの歴史的大干ばつ。ほとんど雨が降らず、さらには熱波で甚大な被害が。となれば、穀物市場が反応しないわけがなく、トウモロコシと大豆の国際価格は史上最高水準で推移している。しかも、小麦輸出国のロシアやウクライナでも干ばつ傾向があり、小麦価格も急騰。すでに政府は10月から、輸入小麦の売り渡し価格を平均で3%引き上げている。

これら穀物の価格が上がれば、多くの食品に波及する。大豆は豆腐や納豆、みそ、しょうゆなどの原料、小麦は麺類、パン、菓子類などの原料なのだ。さらに穀物と一見無関係な意外なものも値上げが予想されている。肉類や乳製品、卵類だ。

なぜなら、トウモロコシなどの穀類は、家畜の飼料として使われているから。日本の国産牛や国産豚は、飼料の9割をアメリカからの穀物輸入に頼っている。穀物が不作になると飼料代が上がり、肉類や乳製品などへの影響も必至だ。

さらに、穀物価格の上昇は、原油価格も上昇させるという声も。今、石油代替品としてバイオエタノールが使われているが、その原料のひとつがトウモロコシ。2011年には、全米で生産するトウモロコシの約40%がエタノール燃料向けに消費された。原料が高騰すれば生産量が減少、石油の需要が高まり価格が上昇すると予想されている。実際、下落基調だった原油価格は再び上昇傾向に。原油が上がれば、影響はさらに甚大だ。

思わぬものまで値上げに見舞われそうな穀物価格の高騰。本格的な価格への転嫁はまだまだこれから。今後の動向を注意深く見守る必要がある。
(上阪 徹)


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