オトコの好奇心が深まる1冊をご紹介!

カラダの正しい扱い方

2012.10.18 THU


『トリセツ・カラダ カラダ地図を描こう』 海堂 尊:著、ヨシタケシンスケ:絵/宝島社/1000円
絵に描いてカラダで覚える
中学生からのカラダ入門書

冒頭の一文は、こう始まる。「本書の目的は、読み終わった時『カラダ地図』を描けるようになること」。難しいと思う人も多いだろうが、著者が教える描き方に倣って実際に描いてみると、あら簡単。2~3回練習すれば、確実に描けるようになる。

このカラダ地図の描き方を身につけるだけでも読む価値アリの1冊だが、さすがは『チーム・バチスタ』シリーズのベストセラー作家にして現役病理医の著者。カラダ内部の器官の説明も、卓抜な比喩が冴えわたっている。「十二指腸は消化液が何でも揃う、いわば万能料理店のようなものだ」「肝臓は巨大化学工場であり、胆汁生産工場である」など、複雑そうに見える臓器の機能の勘所が、短いセンテンスでイメージ豊かに表現されていて、とてもわかりやすい。難易度としては中学生でも十分に読みこなせる。

ヨシタケシンスケさんのイラストも、じつにユーモラスでチャーミングだ。「胃」の項目で描かれている「胃美人コンテスト」のイラストなど、思わず「座布団一枚!」と言いたくなる。

なぜ、カラダについて学ばなければならないのか。著者は「無知は無関心につながり、無関心でいると、知らないうちに何かが壊れていく。そうやって壊れたもののひとつに『医療』がある」という。なるほど、カラダへの無関心は、自分の健康問題だけでなく、ひいては医療制度への無関心にもつながっているということか。

フレンドリーな筆致のなかに、真摯なメッセージが時折織り込まれている。その絶妙なさじ加減は著者のミステリー作品とも相通じている。

  • 人体のふしぎ発見!

    『現代医学に残された七つの謎』
    杉 晴夫/講談社ブルーバックス/945円

    これだけ科学が進んでも、やはり解明されない謎はいまなお残り続けている。それは身近な体にまつわることにおいても、だ。本書は、書名通り現代医学における7つの謎を論じたもの。鍼灸の治療効果、睡眠の仕組み、記憶の貯蔵方法…これらのテーマについて、どこまでがわかっており、何が謎なのかが丁寧に示されている。魅力的で身のある話をご堪能あれ。
  • 腹を探ってみようじゃないか

    『腸! いい話』
    伊藤 裕/朝日新書/756円

    腸を「毎日対話している生活のパートナー」として捉え、この健康を大きく左右する臓器の取り扱いなどを記した解説書だ。特に後半の腸を鍛えるためのヒントは、便秘からメタボリックシンドロームまで多くの問題に対処するための貴重なアドバイスとなるだろう。ダラダラ食いはNG、満腹を目標にしない、といった耳と腸に痛い直言をしっかり受け止めないと。
  • 手前味噌ではありますが…

    『R25 カラダの都市伝説』
    友清 哲/宝島SUGOI文庫/630円

    「帽子をかぶるとハゲる?」「お酒をちゃんぽんで飲むと悪酔いする?」──なんとなく人口に膾炙している数々の噂を専門家の知見も借りて、検証してみたのがこの1冊。豆知識としても楽しめるし、「胸はもまれると大きくなるって本当?」なんていう、男として気になる項目もあるので見逃せないっ! あ、ちなみに冒頭の2つの噂は、どちらも根拠がないそうな。
カラダの正しい扱い方

※フリーマガジンR25 317号「R25的ブックレビュー」より

斎藤哲也=文

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