企業の海外進出で日本の法人税収は減る?

海外で稼いだお金の税金は?

2012.12.20 THU


海外進出を拡大させているユニクロ。進出される現地にとっては、雇用が生まれたり、税収が増えたり、と大きな利益を得られるチャンスも生まれる
画像提供/時事通信社
例えば11月に、韓国にアジア最大の旗艦店を出したユニクロ。韓国で得た利益に対する税金は、どこに払われるのだろうか。一方、書籍にグッズに、とお世話になっているアマゾン・ドット・コムはアメリカ本社。日本でのビジネスで得た利益にかかる税金はどこに支払われるのだろう。

企業が海外に「子会社」を設立し、本格的に進出した場合は、現地の税制に基づいて現地に税金を納めるのが基本的なルールになっている。ユニクロやアマゾンは「子会社」を設立しているので、現地、つまり韓国や日本の法人税の規定に従うことになる。

だが、進出形態が「海外支店」となると事情が変わる。支店は別法人ではないので、日本にある本店が、支店の分も含めた全売り上げを日本で申告することになる。だが、海外支店で稼いだ分はやはり現地で税金を納めなければならない。そうなると、海外支店での売り上げ分は、現地でも日本でも課税されるという二重課税になりかねない。そこで、本店が日本で申告を行う際、支店が現地で納付した法人税分については、本店が納付する法人税から一定額を控除する方法がとられている。

また、本店と海外支店はあくまで同一法人なので、海外で利益が出ても、日本で赤字だった場合、それを差し引きできる。もちろん、逆の場合も然り。

ちなみに、進出形態が事業活動の準備的な位置づけにあたる「駐在員事務所」の場合、進出先の国は課税しないのが一般的。こうした扱いは、日本が世界各国と結ぶ租税条約によって定められている。

企業にとって、税金は少ないに越したことはない。そこで世界の国々は税率を下げ、海外からの投資を呼び込もうと税負担引き下げを図っている。ここ数年、日本でも、法人税を引き下げるべきなのではないか、という議論があるが、そこにはこんな背景があったのである。
(上阪 徹)

※この記事は2011年12月に取材・掲載した記事です


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