オトコの好奇心が深まる1冊をご紹介!

外から見たニッポン

2013.01.17 THU


『「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート』 コリン・ジョイス・著、谷岡健彦・訳/日本放送出版協会/735円
外国人だから気づく
日本のよさもある

えてして自分の長所や短所は、自分からは見えにくいもの。それは個人も国家も同じようだ。10年以上日本で暮らす英国人ジャーナリストが著した本書を読むと、そのことがよくわかる。外国人から言われてはじめて気づく、日本のよさというものもあるのだ。

たとえば銭湯。著者によれば、「ほとんど完璧とさえ言ってよいほどの発明品」だそうで、日本を訪れる著者の友人たちも、ガイドブックで予習済み。一度行けばすぐに銭湯ファンになるんだとか。こんな話を聞くと、多くの銭湯が閉店してしまうのはつくづくもったいない気がする。貴重な観光資源になりえたのに…。

著者が東京の最大の魅力として語るのは「この街に住む人々」。「ふだん他人からこれほど親切に礼儀正しく接してもらえる都市をぼくは知らない」というほどの絶賛ぶりだ。これも東京に住む日本人にとっては意外な評価じゃないだろうか。

もちろん手厳しい意見もある。公園や古い建物が少ないという指摘は耳が痛い。東京では戦前の建物が古いと言われるが、「イギリスでは20世紀に作られたものを『古い』と形容する人など誰もいない」。

著者のお気に入りの日本語表現ベストワンは「おニュー」。「英単語と日本語の丁寧語をかけ合わせるなんて!」との驚嘆ぶりに、こちらも驚嘆。そういう見方があったなんて! おニューな1年の始まりを、愉快な本から始めたい方にオススメ。経済の低迷が続き、どこか自信をなくしているように見える日本を見直すきっかけにもなるかもしれない。

  • 日中間のギャップも見えてくる?

    『中国人エリートは日本人をこう見る』
    中島 恵/日本経済新聞出版社/893円

    日中関係が何かと話題になるなか、気になるのは中国人が日本をどのように捉えているかだ。そんな疑問に答えるのが、若き中国人エリートたちの本音を取材したこの本。日本の企業や文化への意外な高評価に驚かされるし、日本人の慣習や働き方に対して首をかしげる意見には納得するところもかなりある。ぶっちゃけ話をきっかけに異文化理解を進めるのも悪くない!?
  • 諷刺画日本むかし話

    『ビゴーが見た日本人』
    清水 勲/講談社学術文庫/945円

    明治時代に日本で17年も暮らしたフランスの画家ビゴー。彼の絵には、ちょんまげの男、宴会を楽しむふんどし姿の酔っ払いの様子など、今ではまず目にしない光景が活写されている。でも一方でそこに描かれる明治の人々の表情は、現代の僕らに似通ったものも…。それら諷刺画を通じて当時の世相も解説するユニークな1冊。開けば100年以上前にタイムスリップでござる。
  • 3.11以降の日本はどう見られたのか

    『世界が感嘆する日本人 海外メディアが報じた大震災後のニッポン』
    別冊宝島編集部編/宝島社新書/700円

    この国に巨大な傷跡を残した東日本大震災。あの大惨事を世界各国はどのように報じたのか? 本書はアメリカ、中国、台湾、イギリスなどにおける報道や現地の声をまとめたものだ。温度差はあれども、全体として日本人の我慢強さや冷静さに触れたものが目立つ。今後の復興についても、世界のジャーナリズムが目を向けていることを強く意識したい。
外から見たニッポン

※フリーマガジンR25 322号「R25的ブックレビュー」より

斎藤哲也=文

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