フリーター、非正社員のための履歴書?

ジョブ・カード制度利用状況は

2013.04.06 SAT


正社員経験が少ない人への雇用対策として、2008年から導入されたジョブ・カード制度。ジョブ・カードと呼ばれる職務経歴などを記載した書類を使って就職活動を行うというものだが、ではこのジョブ・カードにはどのようなメリットがあるのだろうか?ジョブ・カード制度を担当する厚生労働省職業能力開発局の伊藤順子さんにお話をうかがった。

「学歴や職歴、志望動機を記入するなど、大枠は履歴書と同じですが、大きく違うのはキャリアコンサルタントからのコメント欄があることです。ジョブ・カードを記入し、ハローワークなどにいるキャリア・コンサルタントと面談をします。そこで求職者の強みや特徴を第三者の目線でコメントしてもらえる部分が大きなメリットですね」

自分ではうまく言葉にできなかった特長や就職への熱意をキャリア・コンサルタントの視点で助言し、ジョブ・カードに記入してくれるので、採用する企業も信頼しやすい部分があるとのこと。

「ハローワークなどで面談を受け、キャリア・コンサルタントからジョブ・カードの交付を受けたら、そのまま企業面接を受けるのももちろん可能ですが、正社員経験の少ない方は企業実習や教育訓練機関などでの座学を組み合わせた訓練を受けることもできます。実習先企業からの評価はジョブ・カードに細かく記入され、採用企業の貴重な情報になりますよ」(伊藤さん)

ジョブ・カード制度は、ジョブ・カード記入から企業実習などの訓練、訓練終了後の評価までを含めた一連の流れを指し、この制度のうち、企業に雇用されて行う3~6カ月の訓練を利用した人の7割以上が正社員として就職している。なお、ジョブ・カードの書類自体は厚生労働省のホームページから誰でもダウンロードできる。もちろん社員経験の豊富な人もジョブ・カードを就職活動に使うことが可能だ。

「ジョブ・カードを利用している企業からは『第三者(キャリア・コンサルタント)からのコメントが記載されているので、安心して採用できる』との声をいただいています。現在、ジョブ・カード取得者は約59万人いるのですが、これを増やすとともに、企業側にもジョブ・カードを活用していただくよう働きかけていくことが今の課題ですね」(同)

キャリアコンサルタントと面談し、ジョブ・カードを作ったものの、応募した企業では履歴書を求められ使えなかったというケースもあるので、企業側への普及活動が今後のカギになりそうだ。

「ジョブ・カードを学生の就職活動にも活用しやすくするため、新たに学生向けのジョブ・カード様式の作成を検討しているところです。ジョブ・カードは履歴書よりも記入する項目が細かいので、より人間像が伝わりやすい応募書類になるのではないでしょうか」(同)

学生向けのジョブ・カードには、ゼミやサークルでの活動内容を記入する欄などを新たに設ける予定とのこと。

雇用対策の一環として生まれたジョブ・カード制度。フリーターや正社員経験の少ない求職者を中心に利用されているとのことだが、企業への浸透次第では、有効な就職手段として今後さらに利用者が増えるかもしれない。
(河合力)

※この記事は2011年12月に取材・掲載した記事です

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