求められるのは体力より志

消防職員の就職人気が上昇中

2013.04.22 MON


阿野陽 / PIXTA(pixta.jp)
東日本大震災直後、被災地での人命救助や福島第一原発の放水作業にあたる消防職員たちの姿が連日のように報道された。その雄姿に憧れ、消防職員を目指す人が増えているようだ。横浜市消防局では、今年度の職員採用試験に過去最大の応募があったという。

「平成22年度の応募数は大学卒程度の区分で768名、高校卒程度の区分で714名でしたが、今年度は大学卒程度で1095名、高校卒程度で1112名の応募がありました。どちらも1000名を超えたのは初めてです。倍率も大学卒程度が4.5倍から6.1倍に、高校卒程度では6倍から12.1倍に上がっています」(横浜市消防局人事課・田村さん)

横浜市消防局と並ぶ首都圏最大規模の東京消防庁、川崎市消防局でも今年度は応募者が急増した。それも「救助隊や消防隊、救急隊など現場の最前線を志望する応募者が多い」(田村さん)というから、やはり震災の影響は大きかったようだ。

しかし、厳しい訓練や不規則な勤務体制に加え、時に命の危険もともなう消防職員という仕事。憧れだけではやっていけない過酷なイメージもあるが、どんな人物が求められるのか?

「消防職員というと体力や運動能力が重視されるイメージが強いようですが、必ずしもそうではありません。横浜市消防局の採用試験は一次試験が筆記で400点満点。二次試験は面接が300点満点、一般論文と体力検査が各100点満点という試験内容になっています」(同)

意外なことに、運動能力よりも筆記や面接の方がかなり評点は高い模様。ちなみに、横浜市が職員に求める人物像は『横浜を愛し、市民に信頼され、自ら考え行動する職員』となっている。まずは何よりも“志”が大事というわけだ。仕事に必要なスキルは入局後に学ぶことになる。

「消防職員になると消防学校で半年にわたり座学や実技の勉強をします。採用後に十分な教育をしますので、採用の段階で“必ずこのスキルをもっていなければいけない”というものはないんです。今年は新卒だけでなく、脱サラして消防職員を目指す方も多かったですし、平等にチャンスはあると思います」(同)

ちなみに、受験資格は30歳前後まで(横浜市消防局は30歳まで)という場合が多い。人気上昇で競争は厳しくなっているが、チャレンジするならお早めに。
(榎並紀行)

※この記事は2012年01月に取材・掲載した記事です

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