シェアハウス、パン屋、図書館…

「空き家」活用ビジネス拡大

2013.06.20 THU


もともと母子寮だった物件を利用した「JamHouse天照」。内装は入居者自身で改修を行い、コストを安く抑えたという 画像提供/JamHouse天照
全国的に「空き家の活用」が大きな課題となっている。総務省の最新調査では全国の空き家戸数は約757万戸に上る。うち181万戸が戸建て住宅だ。そんななか、こうした空き家を使って商売を始める若者が現れ始めた。

練馬区の住宅街に建つ築40年以上の一軒家で「まあるいぱんや」を営む31歳の女性。最初は住むために借りた物件だったが、約3年前から玄関先で手づくりのパンや焼き菓子を売り始めた。今では近所の常連客も定着し、昼過ぎに売り切れることも多いという。また、大手広告出版会社から脱サラした28歳の宮内孝輔さんも約3年前に空き家を利用したシェアハウス「JamHouse」をオープン。現在、東京で2軒、京都で1軒のシェアハウスを運営している。「空き家や空きスペースに人のエネルギーを吹き込む」のがモットーだという。

仲間や近所の人々との交流スペースとして空き家を活用する例もある。墨田区鳩の街通り商店街の空き店舗を使った「こすみ図書」を運営するのは、平日は会社員として働く30歳の女性。誰でも立ち寄れる「街の図書館」として週末のみ不定期開放し、ワークショップなどを開催することも。なお、同商店街では全7室の空きアパートを組合が一括で借り上げ、ショップ経営をしたい人に安く貸し出す「チャレンジスポット! 鈴木荘」が数年前からスタート。初回募集時には40組の応募があり、現在も足つぼマッサージ、レンタルショップ、アトリエなどが入居し、営業中だ。

「店舗用物件を借りると、保証金を含めて多額の初期費用がかかります。借り手のなかなかつかない空き家なら交渉次第で初期費用を大きく浮かすことができますし、改修についても許諾を得やすい点が、若い人には魅力的なのだと思います」とはSUUMОの池本洋一編集長。こうした動きがさらに広がっていけば、空き家問題解消のロールモデルになるかもしれない。
(榎並紀行/やじろべえ)


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