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香港で1兆円の遺産相続に決着

2013.07.17 WED


画像提供元/YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)
生前、「アジアで最も裕福な女性」と称されたニナ・ワンさんの遺産相続(推定830億香港ドル(約1兆700億円)の権利を主張するために遺言を偽装したとして、風水師の男に、香港高等法院は今月、禁固12年の有罪判決を言い渡した。

■風水師は詐欺師だった

 有罪判決が言い渡されたのは、事業家で風水師の陳振聡(Chen zhen cong)氏で、ニナ・ワンさんの愛人だったと証言していた。

陳被告は、2007年、香港の大富豪、ニナ・ワンさんがガンのために69歳で亡くなると、遺書があることを理由に相続権を主張した。ところが、ニナ・ワンさんが慈善活動の為に設立した団体「チャイナケム」が、遺言書が偽装だとして反論。双方とも超一流の弁護士を起用して約9カ月に及ぶ法廷論争が展開された。

陳被告はワンさんと長年の付き合いがあり、最後は愛人関係にあったなどと主張した。一方、「チャイナケム」を運営するワンさんの家族は、ワンさんは病床で「遺言書に陳氏の名前を入れる事などが、永遠の命や寿命を保証するだろう」といわれ、陳被告に騙されたとした。裁判には双方合わせて7億円以上が費やされたとされる。

■キャンディ・キャンディ
2010年2月、香港の高等法院(高等裁判所)はチャイナケムを正式な相続人と認めて勝訴とし、風水師・陳振聡氏は敗訴となった。陳被告は上告するつもりだったようだが、その翌日、香港警察に私文書偽装の容疑で拘束となった。

今月の判決で裁判所は、「病床にあるニナ・ワンさんは、寂しく傷ついた女性だった。陳被告は残忍にもそこにつけ込んで遺書を偽造した。本来ならば慈善活動に使われる遺産を奪おうとした行為は恥知らずで邪悪だ」と非難した。

死後、その莫大な遺産の駆け引きをめぐり、話題となったニナ・ワンさんだが、実は生前も人々の関心を集め続ける存在だった。アジア一の富豪女性とは一体どんな人物だったのだろうか?

何よりも、人々の目を引いたのは、彼女のファッションだ。彼女は50歳を過ぎてから日本のアニメ「キャンディ・キャンディ」にハマり、毎日を、キャンディー・キャンディーのコスプレで過ごした。おさげ髪にミニスカートという大富豪の年齢不相応なスタイルは、世間の注目を浴びた事は想像に難くない。

ニナ・ワンさんは、上海の貧しい家庭に生れ、裕福な男性と周囲の反対を押し切り結婚。その後、2人で香港に移り、香港を世界一豊かな都市にしたい、と不動産業を営み大成功した。

ところがその後、夫婦の身に災難が襲いかかる。

身代金目的で誘拐されたのである。結局、約27億5000万円で釈放され解決したが、この事件は大きく報じられ、夫婦は一躍有名人となった。

だが、その数年後、またしても夫が誘拐され、今度は帰らぬ人となってしまった。

■死の直前まで夫を探していた

これだけでも波乱万丈と言えるが、話はまだまだ終わらない。ニナさんは、夫の父親と夫の財産をめぐり8年間にも渡って争いをしているのである。

この争いでは、裁判で2度も敗訴となり、私文書偽装で逮捕までされるのだが、最終審裁判では、なんとこの判決がひっくり返り、5人の裁判官が全員一致で、ニナさんを相続人と認めたのだった。

2度も誘拐にあい、2度も裁判で敗訴した末に、夫の財産を継承。その後、会社を香港で民間一の不動産グループにまでに押し上げ、莫大な財産を残していったニナ・ワンさん。なんとも数奇な人生だ。

実は彼女は、夫が殺害されたことを受け入れず、まだどこかで生きていると信じて、自分の死の直前まで行方を探していたという話もあるそうだ。自身の名を冠したニーナ・タワーは、テディ・タワーに寄り添うように隣り合わせに建っている。

夫と2人で事業を始めた理由も、恵まれない人たちのためにという思いがあったから。莫大な財産が世の中のために使われる事を願っていた、ニナさんの希望がようやく実現することになりそうだ。

記事提供元/YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)

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