医薬品&化粧品関連の印刷等ではシェアナンバーワン

富山県の朝日印刷がスゴイわけ

2013.08.27 TUE


誤字はもちろん、印刷過程で薬の成分量表示部分に汚れがついて誤読を招いたら、人命にかかわる危険性もある、と高橋さん。「50mg」が汚れで「5.0mg」に読めるだけで、薬事法違反となる可能性もあるのだ 画像提供/朝日印刷
残業中に飲む栄養ドリンク、薬局に並ぶ風邪薬、彼女のポーチに入っている口紅。これらのラベルやパッケージ、説明書が、すべて同じ企業で印刷されている…かもしれないことをご存じだろうか? 

その企業の名は、朝日印刷。医薬品や化粧品のパッケージなどの印刷に特化し、その分野ではシェアナンバーワンを誇っている富山県の中堅企業だ。富山といえば、越中富山の薬売り♪ って、もしやそんな単純な!?

「その通りです(笑)。朝日印刷の創業は明治5年。明治の後半には、すでに地場産業であった家庭配置薬の包装資材を製造しています。昭和30年代前半に、医薬品などのパッケージに特化。全国にシェアを伸ばすため、昭和39年には東京都の日本橋に東京営業所を開設しました」(朝日印刷・高橋威夫さん)

その後、大阪、名古屋、仙台(現在は山形へ移転)にも営業所を構え、現在は全国19カ所に営業拠点を置いているそう。印刷はすべて富山県の工場で行っており、取引先は1000社ほど。数多くの国内の製薬会社や化粧品メーカーと取引しているという。

だが、東京をはじめ全国各地に印刷会社があるにもかかわらず、なぜ朝日印刷に発注が集中するのだろう。

「わかりやすいのが、コスト面です。この分野の印刷は多品種小ロットなので、普通ならばコストは高くつく。弊社では、高い品質を守りつつ、製造過程の効率化や最新機器の導入などで、コストダウンの方法を構築してきました。また、医薬品は、包装資材も商品を構成する大切な要素。いわば医薬品の一部を作るわけですから、高い品質管理、数量管理、医薬品同様にGMP(Good Manufacturing Practice)という国が定めた基準に準拠してパッケージを製造することが何よりも重要視されます。品質管理体制がしっかりしているかどうかをチェックするため、定期的に医薬品メーカーの監査も入ります」

GMPとは、「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」のこと。製造過程での衛生環境を整えたり、厳しい品質管理を行ったり、作業ルールを定めて文書化したり、日々の製造記録をつけたり…と、様々な規定があるのだとか。

「たとえば、工場をクリーンな環境に保つため、作業員は毛髪、体毛などが落ちないように帽子や袖口をゴムで密閉した作業服を身に着け、エアシャワーを浴びないと中には入れません。機器は定期的にメンテナンスを行いますが、点検は専門の部署が担当します」

なるほど、印刷会社としてのクオリティだけでなく、厳密な管理体制も発注が集中する秘密ということか! 明日から、コンビニに並ぶ栄養ドリンクを見る目が変わりそうだ。
(有馬ゆえ)

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