「懲戒」による減給は給与の10%まで

「会社の罰金」合法ラインは?

2013.09.19 THU


企業は従業員を使うことで利益を得ている以上、ミスや過失によって不利益が生じたとしても、そのリスクを負う責任があると考えられる 画像提供/PIXTA
7月、横浜DeNAベイスターズの波留敏夫コーチが球団トップと口論を起こした問題が「造反行為」とみなされ、球団から罰金100万円を科された。プロスポーツ界では選手が“監督批判”をした場合などに「罰金」が科されることがある。我々サラリーマンも問題を起こしたら、会社から罰金を科されるケースがあると聞くが…。

「いえ、そもそも、『罰金』とは刑罰の一種であって、人に罰金を科せる資格を有するのは国家だけです。民間企業で『罰金』という言葉を使うのは誤りなんですよ」

と話すのは、労働問題に詳しいアディーレ法律事務所の刈谷龍太弁護士だ。でも、現実には「遅刻3回で罰金1万円!」なんて会社も世間にはあるようだけど…?

「遅刻や欠勤に高額なペナルティを科すのは違法ですが、あらかじめ就業規則に明記してあれば、『賃金控除』という形で不就労時間分の賃金を減給することは合法です。ただし、労働基準法や社会通念に照らして妥当性が認められなければ無効になります。企業に都合の良いルールを押し通せるわけではないんです」

それじゃ、業務上のミスや過失で会社に不利益を与えてしまった場合は?

「『懲戒権の行使』という形で減給を科すことは可能ですが、1回あたりの控除額が賃金の半日分を超えてはいけないなどの制限があるし、一月の総控除額も給与額の10%までと定められています。また、従業員に重大な過失があった場合には、『損害賠償』を請求される可能性もありますが、損害のすべてを負担しなければいけないわけではありません。会社側の教育や管理体制なども問われますからね」

サラリーマンは、法的に強く守られているようだ。何より一方的に「戦力外」を言い渡されることがないだけでもありがたい? いや、最近はそうでもないか…。
(呉 琢磨)


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