ワシントン条約も影響なし!?

80年の歴史!ツナ缶の軌跡と進化

2013.11.06 WED


黒川さんおすすめのツナ缶の数々。わりと知られていない商品が多いのは『宣伝にお金をかけるなら、商品開発に!』という缶詰業界の奥ゆかしい姿勢ゆえ、とのこと
先月ドーハで開催されたワシントン条約の締結国会議。大西洋・地中海産のクロマグロ(本マグロ)の輸出入禁止措置をめぐる一連の動きは、全国的に大きな関心事に。その一方で、「ツナおにぎりやツナの缶詰まで値上がっちゃったらどうしよう…」というのも、きわめて小市民的な危機意識だったりするわけで…。

「主にツナ缶に使われているのはキハダマグロやメバチマグロ。クロマグロの輸入が禁止されても、直接の影響はありませんよ。もちろん今後需要のシフトがあれば、それらの価格が上昇する可能性はありますが、安い輸入ツナ缶も増加傾向にあり、急激な価格上昇は起こりにくい状況です」とは『うまい!酒の肴になる!おつまみ缶詰酒場』(アスキー新書)の著者、黒川勇人さん。

ほっ…。ひとまず安心ってわけですね…。
それにしても、今やぼくらの生活に欠かせない食品となっているこのツナ缶って、いつ頃からあるんでしょう?

「日本でツナ缶が生まれたのは、世界恐慌が始まる前年の1928年。静岡県の水産試験場が外貨獲得と雇用創出のために、ビンナガマグロの油漬け缶を開発。1930年に清水食品が製品化して輸出すると、当時需要の見込まれたアメリカで大ヒットとなったんです。その後、1950年代頃から、ツナ缶は国内にも普及。当時は流通網や冷凍技術が確立されておらず、肉や魚の缶詰は贅沢品だったようですね」

なんと! 日本のツナ缶に80年以上の歴史があったとは! ちなみに日本缶詰協会によると、現在国内では、100種類近いツナ缶が流通しているとのこと。では、黒川さん。数あるツナ缶のなかで、おすすめの一缶は?

「はごろもフーズの『シーチキンとろ』は、ビンナガのトロを使った一品。実勢価格400円ほどという最高級品だけあって、さすがにうまいですね。また、そのまま味わうのなら、清水食品の『オードブルツナ』シリーズもおすすめ。白しょうゆ、バター、ワインの3種類の味付けがあり、酒の肴にぴったりですよ」

さらに、黒川さんイチオシのツナ缶がコイツ!

「ホテイフーズの『おいしく仕上げたツナ』は別格ですね。これは、残存酸素と調味液が少ない“高真空”缶詰を使用しているため、素材の風味が抜群。缶詰を開けた瞬間、削り立ての鰹節のような香りが広がって…。いやぁ、はじめて食べた時は正直、驚きました」

そ、そんなハイテク缶まで! なんとも奥深き、ツナ缶の世界です。はい。
(サグレス/吉原 徹)

※この記事は2010年04月に取材・掲載した記事です

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