解雇ルールの緩和で僕らの働き方はどう変わる?

限定正社員や解雇特区は誰トク?

2013.11.07 THU


いまより細かく多様な雇用契約が可能になれば、解雇する必要性が低下するので、解雇そのものも少なくなるはずだという イラスト/牧野良幸
「新しい雇用のあり方」をめぐる議論に注目が集まっている。政府が成長戦略の一環として「解雇規制の緩和」を検討しているためで、その代表的なものが「限定正社員」「解雇特区」などの仕組みの導入だ。

「限定正社員とは、仕事内容や勤務地などを特定した働き方で、ジョブ型正社員とも呼ばれます。クビにされやすいといわれますが、ようは仕事の中身をきちんと契約で決めるということ。解雇特区は『入社時の条件に沿えば会社が解雇できる』といった仕組みの特区。いずれも背景にあるのは、現在の解雇ルールがわかりにくいという考えです」。そう話すのは日本大学准教授の安藤至大氏。

じつは、従来の日本型の正社員は世界的にはめずらしい働き方で、欧州や米国では職種や勤務地を契約で決めるのが一般的という。雇用とは本来、労働力と賃金を交換する契約のこと。約束が果たされなかったら契約解除となるはずだが、日本ではその部分がずっとグレーゾーンだった。そのため、解雇は難しいと誤解されたり、逆に中小企業では乱暴な解雇が行われたりしてきたのだ。

「高度経済成長期の人手不足などの結果、会社が職種や勤務地を決めるかわりに長期雇用を保証する特殊な形が定着してしまったんです。でも、低成長の時代になり、会社も雇用を維持できなくなった。そういうなかで、正社員か非正規雇用かの2択ではなく、それぞれが自分に合った働き方を見つけ、会社も労働力を確保するにはどうすればいいか。そこで出てきたのが、あいまいにしてきた解雇ルールを明確化しようという議論。重要なのはルールの透明化と労使双方への情報公開、そして契約を遵守することです」

もっとも、政府は今回「解雇特区」の導入を事実上見送っており、議論はあまり進んでいないのが現状だ。様々な働き方を可能にするのなら、雇用ルールをめぐるこの議論を見守っていきたいが…。
(押尾銅山)


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