介護、農業、サービス業etc.

不況なのに人材不足が起るの理由

2014.01.26 SUN


写真提供/時事通信社
今や非正規労働者のみならず、正(規)社員も含めた雇用不安が深刻化している。しかしその一方で、介護や農業など深刻な人材不足に悩まされている現場も少なくない。不況下とはいえ、日本には働こうと思えば仕事はあるのだろうか?

「働く人を求めている業種はたくさんあります。話題になっている介護や医療もそうですし、農業、林業、漁業といった第一次産業全般や、外食産業、販売店などのサービス業、それから警察も人手は不足しています」(法政大学大原社会問題研究所所長・五十嵐仁教授)

実際、介護をはじめ慢性的に人手不足の職場では、解雇された非正規労働者たちを呼び込もうという動きも出ている。舛添厚生労働大臣も、介護人材の育成を充実させたいと会見で語っていた。

「ただ、こういう議論をする際に忘れてはならないのは、働くことは、本人の適性や意欲の問題と深く結びついているということです。本人の希望や適性などに関係なく、仕事にあぶれているから他に回せばいいという考え方は、働く人を人扱いしていないことになる思います」(同)

働く人の意欲や適性を尊重したうえで、人材の余剰と不足のミスマッチを解消する方法はあるはずだと五十嵐氏はいう。

「例えば、学校の授業が終わった後、低学年の児童を自治体が預かる学童保育。ここも人材不足ですが、子供たちに学校では教えない社会教育や伝統文化を教える場として捉え直せば、そのための要員などで新しい雇用を創出できるかもしれない。介護に加え、保育、教育、医療などの分野にもっと投資するべきなんです。いわば福祉のニューディール政策です」(同)

なるほど、意欲的に新しい仕事を見つけたり、雇用されるための技術を身につけられる職業訓練プログラムを行えば、短期的な雇用問題だけでなく、長期的に日本の労働力の質を高める効果も期待できるかもしれない。

※この記事は2012年06月に取材・掲載した記事です

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