転職理由で時代が見える

会社を辞めようと思った理由の今昔

2014.03.19 WED


今では珍しくなくなった転職。キャリアアップを狙ったポジティブなものから、会社倒産などによるネガティブなものまで、転職する理由は人それぞれだ。世の中の転職理由は、情勢に左右されるイメージだけど実際はどうなんだろう? バブル期から現代までの転職理由の変化を『転職のバイブル2012年版』の著書で佐藤人材・サーチの代表、佐藤文男さんに聞いてみた。

「1980年代のバブル期は終身雇用が当たり前だったので、転職はそれほど一般的ではありませんでした。中途採用をしているのは外資系企業くらいで、ごく一部の日本企業が実験的に中途採用をし始めた、という状況です。その後、バブルが崩壊し、倒産やリストラを理由にやむを得ず転職をする人が増えたのが90年代です」

転職市場の黎明期は、どちらかといえばネガティブな理由による転職が多かったようだ。そうした流れのなか、21世紀に入り、若者の転職が変わっていく。

「父親世代を見て『終身雇用は終わった』と考え始めた20~30代の若い世代は、転職に抵抗感なく向き合えるようになりました。ITバブルの勢いも手伝って、若者はキャリアアップや一攫千金を夢見てベンチャー企業に積極的に転職するようになります。しかし、2008年、リーマン・ショックの影響で転職市場は一気に冷え込み、この時もネガティブな理由で転職するビジネスパーソンが増えました。そして現代、わずかながら景気回復の兆しが見え始めた矢先に東日本大震災が起こってしまったのです」

大震災という予期せぬ事態で、今後もネガティブな転職が増えてしまうのでしょうか。

「必ずしもそうとは限りません。復興事業による雇用も生まれるので、これから徐々に企業側の求人意欲が高まることも考えられます」

世の中の転職理由は、時代背景を読む1つの指標ともいえそうだ。はたして今後増える転職はポジティブなものか、それともネガティブなものか。願わくは前者でありますように。
(名嘉山直哉/DECO)

※この記事は2011年07月に取材・掲載した記事です

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト