地元に帰りたい? 帰りたくない?

地元回帰?みんなのUターン事情

2014.04.07 MON


進学や就職を機に地方から上京したものの、いずれは地元に帰りたいと考えている人も少なくないのでは。じっさい、厚生労働省の調査(2006年「人口移動調査」)によれば出生県への「Uターン率(出生県から他県へ転出した経験のある人のうち、調査時点で出生県に戻って居住している人の割合)」は男性が34.1%、女性が30.2%といずれも高い割合を誇る。

年齢別にみるとUターン率が最も低いのは30代未満で男性19.2%、女性18.5%。それが30~34歳になると男性36%、女性28.6%に跳ね上がる。やはり働き始めて10年も経つと、心境が変わってくるのかもしれない。

では、Uターンをする理由は何なのか? リクルートエージェントのウェブサイトには、20代後半~30代前半でUターン転職をした人たちの事例が紹介されている。

●「実家に帰って親の面倒をみたい」/Kさん(31歳)のケース
大学の工学部を卒業し、東海地区の自動車関連メーカーで研究開発に従事していたKさん。九州の実家に住む母親が体調を崩したのをきっかけに、地元へのUターン転職を決意。
新しい勤務先は、実家からも通勤できる範囲。「親のそばにいてあげたい」という希望もかなえられた。

●「故郷に帰って転職するなら20代のうちに」/Fさん(28歳)のケース
宮城県出身のFさんは、東京の大学を出てそのまま東京の大手企業に就職。しかし、長男ということもあり、いずれは故郷に帰りたいと考えていた。転職するならなるべく若いうちの方が有利だと判断し、28歳で活動を開始。成長性を秘めたITベンチャー企業に転職した。会社に近く、実家にもすぐに帰れる場所に部屋を借り、新生活をスタート。休日には子供の頃からの友人たちと飲んだり遊びに行ったりするのも楽しみの一つとなっている。

●「奥さんの実家がある北海道に転居」/Tさん(33歳)のケース
東京の大手消費財メーカーの管理部門に勤務していたTさんは、生まれも育ちも関東。一方、奥さんは北海道出身で、両家の家族構成上「いずれは妻側の実家の近くに住む」という約束になっていた。 そして入社10年目、Tさんに関西への転勤の内示が……。娘が小学校に上がる直前ということもあり、これを機会に北海道への移住計画を実行に移すことを決意。会社を退職し、奥さんの実家で同居を始めた。年収は前職よりも150万円ほど下がったが「妻やその両親との約束を果たし、家族を安心させる」という最大の目的は達成。奥さんは親の近くにいられること、育児の手助けも得られることで、心身ともに楽になった。そして、そんな奥さんの姿にTさん自身も安堵し、気持ちが落ち着いた。

なかには収入が下がったケースもあるが、それに代わる心のゆとりを手に入れた彼ら。いずれの事例も晴れ晴れとした心境が語られている。リクルートエージェントによれば、地域によって状況は異なるが、地方には20代半ばまでの第二新卒~30代前半くらいまでの層を求める求人が少なくないという。都会でのキャリアをステップに、地元で再スタートを切るのも悪くないかもしれない。
(榎並紀行)

※この記事は2011年12月に取材・掲載した記事です

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