打診されたらどうする?

早期退職優遇制度はどれほど優遇か

2014.04.16 WED


企業が人員削減を行う際、よく耳にするのが「早期退職優遇制度」。退職金の割増しといった特別措置を講じることにより希望退職者を募る制度だが、これに応じるとどの程度優遇されるものなのか? 人事コンサルタントの金森忠志氏に優遇の“相場”を聞いた。

「リストラのために希望退職者を募る場合、大企業は給与の1年分程度、中小企業は給与3カ月程度を退職金に上乗せするケースが多いようです。どこも経営が厳しくて希望退職者を募るわけですから、それほど破格の優遇というのは期待できないでしょう」

わずかばかりの優遇を目当てに早期退職に応じるより、会社に残って安定した収入を確保する方が得策に思えるが、そうとばかりも言いきれないようだ。

「当然ながら企業は優秀な人材を残し、そうでない人に辞めてもらいたい。そこでリストラを行う際には社員をランク付けします。そのうえで、評価が低い社員に対しては早期退職優遇制度の利点を繰り返し説くことで希望退職を促す『勧奨』を行うわけです。もし何度も退職勧奨されるようなら、それはアナタに対する会社の評価が低い証拠。そんな状態で会社に残っても責任ある仕事を任される可能性は低いでしょうから、早期退職制度に応じて新天地で頑張るのもひとつの手だとは思います」

一方、最近では経営状態にかかわらず、恒常的に早期退職制度を導入する企業も増えている。リストラ目的に比べて優遇措置が手厚く、利用する側にとってもメリットは大きい。

「例えば、朝日新聞が45歳以上の社員を対象に導入した『転身支援制度』は“退職と引き換えに年収の半分を10年間保障する”という破格の条件。リストラ目的の早期退職制度に比べて予算に余裕があるため、手厚い優遇措置を講じているケースが多いですね」

厚生労働省就業条件総合調査(2008年)では、恒常的な早期退職制度の場合、1000人以上の大企業で給与14カ月分、100~299人以下の中小企業で給与12カ月分が退職金に上乗せされるという。また、エージェントの登録料を肩代わりして転職を支援するなど、退職金の割増し以外にも手厚い優遇措置が用意されているケースも多いようだ。

「ただし、早期退職優遇制度を利用した場合、同業種への転職を禁ずるといった誓約書へのサインが必要なケースがよくあります。約束を破った場合、優遇分の返金を求められることがありますので注意しましょう」

優遇を受ける以上、それなりの制約もある。早期退職に応じるか否かを決める際には、退職金の額だけでは計れない総合的な判断が求められそうだ。(榎並紀行)

※この記事は2011年10月に取材・掲載した記事です

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