アスクル、クックパッド、カヤック…

注目企業の最先端オフィス事情

2014.04.20 SUN


仕事環境の向上を目指し、オフィスの在り方を見直す企業が増えている。オフィスレイアウトを大胆に変更したり、ワークスペースにユニークな仕掛けを施すことによって、仕事の効率化やコミュニケーションの促進などを図るのが狙いだ。

オフィス用品の通信販売を手掛ける「アスクル」は、本社を2011年9月に豊洲へ移転。「live market center」と命名された新しい本社オフィスは、風通しのいいオープンなレイアウトが特徴だ。1200人のスタッフを収容する広大なフロアには部署間の壁がなく、オフィスのどこからでも広く全体を見渡すことができる。社長以下、マネジメントの席も一般社員と同じフロア内の一画に集約。四方を簡素なパーティーションで囲んだだけの通称“経営コックピット”は「ヒエラルキーのない組織」という同社の社風を象徴している。

「以前のオフィスからのこだわりを引き継ぎ、新しいオフィスもオープンなレイアウトにして部署間の垣根を取り払いました。また、誰でも利用できるフリーアドレスデスクや気軽なミーティングスペースなど、コミュニケーション促進のための空間を大幅に広げています。結果、これまでになかった新しい交流が生まれ、部署間を越えたコラボレーションも活性化してきました」(オフィス設計を担当した宮本英治さん)

月間利用者数1575万人を誇る巨大な料理レシピサイト「クックパッド」も、社員同士のコミュニケーションを重視する。ただし、交流の場はワークスペースではなく“キッチン”であるところが特徴。エントランス脇に設置された大型システムキッチンを自由に使えるようにすることで、料理を通じたコミュニケーションを図るのが狙いだ。

「弊社には材料費会社負担で料理が作れる『まかない制度』もあり、社員は冷蔵庫から自由に食材を取り出して、いつでも自由に料理を楽しむことができます。ベンチャー企業なので毎月のように中途社員が入社してくるのですが、ここで歓迎会を行うことも多いですね。一緒に料理を作ると会話も弾み、打ち解けるのも早いです」(クックパッド広報室)

一方、ユニークなwebサービスの企画・運営で知られるITベンチャーの「面白法人カヤック」は、その社風同様オフィスも遊び心にあふれている。2008年にグッドデザイン賞を受賞した鎌倉本社のワークスペースは、社員のクリエイティビティを引き出す工夫が満載。なかでも斬新なのは慶應義塾大学と共同で開発した「閃考会議室」だ。

「この会議室には会議を円滑化・活性化させるための二つの機能が搭載されています。まず、時間の経過とともに部屋の雰囲気を変化させる色彩調光システム『空山水』。例えば、2時間の会議に『半日』というモードを設定すると、スタート時は“日が昇り始める朝の色彩”、議論が白熱する中盤には“日中の明るい日差し”、結論を出す終盤には“日が沈む夕刻の色彩”へと変化します。時間の経過を体感でなんとなく理解できるため、ダラダラと会議が長引くのを防ぐことができます。二つ目は、会議で話している内容に関連する情報をインターネットから集めるテーブル『かげろい』。マイクにキーワードを吹き込むと、関連する様々な情報をテーブルの画面に表示させることができます。リアルタイムで流れるトピックスが会話のきっかけを生み出し、ブレストを加速させるのに役立ちます」(面白法人カヤック広報室)

企業のポリシーやアイデンティティが見え隠れする刺激的なオフィス。こんな職場なら社員のモチベーションも上がりそうだ。
(榎並紀行)

※この記事は2012年01月に取材・掲載した記事です

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