富士フイルム、旭化成、ソフトバンク…

勝ち残る“変身”企業の成功事例

2014.04.17 THU


富士フイルムは「写ルンです」の高性能化で写真フィルムの生き残りを図ったが、デジタルカメラには太刀打ちできなかった 『週刊東洋経済』 毎週月曜発行 現在発売中の特集は「本業消失!」定価690円(税込) 撮影/尾形文繁
グローバル化やIT化の進展で、ビジネス環境の変化は激しさを増している。しかし、これまで稼ぎ頭だった本業が傾いても、次の収益柱を育てて「変身」できる企業は勝ち残れる。

たとえば、富士フイルムホールディングス。かつて写真フィルムで国内シェア7割を占め、同事業は全社益の3分の2を稼いでいた。しかし、デジタルカメラの登場で2000年をピークに写真フィルム需要は急減。同社は、これまで培ってきた技術力を生かし、積極的に異業種に参入しようとした。象徴的だったのが化粧品分野だ。松田聖子をテレビCMに抜擢するなど話題を集めたが、現場の社員はかなり苦労したようだ。

写真フィルム一筋だった営業マンは、化粧品担当に配置換えになったばかりのころ、営業スタイルの違いに戸惑った。そこで思いついたのが研究所見学。「写真フィルム営業時代にバイヤーさんを工場に連れていくと喜ばれた。うちの化粧品は技術力が強み。それなら研究所だと」。その考えは的中。「半日たっぷりいっしょに過ごせるので、関係強化にも大いに役立っている」という。

旭化成も主力事業が何かわからないほどの多角化を進めてきた。繊維から出発したが、食品包装の「サランラップ」や住宅の「ヘーベルハウス」を手掛け、半導体のLSI事業にも進出。リース業から出発したオリックスは不動産関連ビジネスを拡大したが、2008年のリーマンショックで痛手を被り、最近では旅館や水族館などの経営に乗り出した。印刷需要の減少に見舞われている大日本印刷も、液晶関連部品やデータ事業を通じて収益の多角化を模索している。

会社の変身にともない、ビジネスパーソンもいつ「社内転職」を迫られるかわからない。今の経験がほかの分野でも生かせるのか、たまには考えてみることも必要だろう。
(山本直樹/『週刊東洋経済』)


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