誰も知らないクルマの雑学 最終回

安全で安心な道へ知られざる進化

2014.05.30 FRI


年末や年度末は常に工事をしている印象がある道路。しかし、国土交通省によると、道路管理延長あたり年間路上工事時間の推移(全国、直轄国道)を、平成14年と平成22年で比べると、53%も減少しているとのこと。また、平成21年度の全国直轄国道の路上工事時間の推移を月別にみると、最も工事時間が多いのは2月。年度末では年平均の約5割まで減少、お盆期や年末においても比較的に減少傾向にあるのだ
時間が空いたので、次の移動先へと散歩がてら国道1号を歩いていると、あることにふと気がついた。電線がない…。京都など景観を大事にする一部の地域では、電線を地下に埋めていると聞いたことがあるが、ここは東京。しかも、よくある普通の国道なのだ。

東京国道事務所に問い合わせたところ、交通量の多い道路などでは、地下に電線や通信のケーブルを埋め込む工事が進んでいるのだとか。目的は、災害時にライフラインが寸断されることを防ぐため。加えて電柱などが倒れて、交通を遮断させない目的があるのだとか。

実は、ケーブルや電線の埋設以外にも、道路は見えない進化を続けているらしい。特に、この10年間ほどで、大きく変わったことがあるとか。まったく想像がつかない…。東京国道事務所に詳しい話を聞いた。

「ここ10年ほどで、東京国道事務所が管轄する道路の約7割は、排水性舗装の工事が完了しています。排水性舗装とは、雷おこしのように隙間の多いアスファルトの下に不透水層、つまり空気の層を設けた道路のこと。雨はアスファルトに吸い込まれて、不透水層に沿って道路の両側に排水されます。雨水が溜まりにくいので、隣車線のクルマの水はねがフロントガラスを覆ってしまうウォータースクリーンを防止して、視認性を高めることができます。高速道路などでは、タイヤと路面の間に水が入り込み、車が水の上を滑るようになりハンドルやブレーキが利かなくなる“ハイドロプレーニング現象”の防止にもなっていますね」

また、排水性舗装は水が溜まりにくいだけでなく、隙間の部分で音も吸収するので、路面とタイヤで発生する走行音の低減効果もあるのだとか。そう言われてみると、確かに昔に比べて、走行車線の道路上に水たまりは減ってきたような気がする。

さらに、道路はこの先もますます進化していくという。そのキーワードが「スマートウェイ」と「ITSスポット」だ。

「スマートウェイ」とは、交通安全、渋滞対策、環境対策などを目的とし、人と車と道路を情報で結ぶ次世代の道路。情報を道路に設置した電波ビーコンから発信する仕組みが「ITSスポット」だ。

受信するのはクルマ側の「ITSスポット対応カーナビ」。高速・大容量通信を行い、広域の渋滞データを受信して、早い段階で回避ルートの選択を行ったり、事故多発地帯や落下物の手前などで注意喚起を受けることができる。

また、道路上の情報をセンサー等によって収集し、ドライバーに危険警告を行ったり、状況によりハンドルやブレーキ制御等の運転補助を行うシステムの研究もされている。

未来の道路は、さらに快適で安全なドライブのインフラへと近づいていきそうだ。
(コージー林田)

※この記事は2012年5月に取材・掲載した記事です

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