到着できるのはどこまで?

朝9時東京駅着!電車通勤の限界

2014.06.08 SUN


「キレイで快適、広さもあって、周囲の環境も抜群――そんな、いい家に住んでみたい」と思っている人も少なくないのでは? もちろん、お金を払えばそのような環境を手に入れることは容易い。しかし、この経済不況の中、大幅な昇給は見込めないし、ボーナスだって下がる一方。そこで考えてみたいのが、通勤時間は長くとも少し離れた地域に住むという選択肢。地価や家賃の高い都心ではなく、比較的安い土地に住めば、住環境も一気にグレードアップできるはず。そこで今回は、午前9時に東京駅周辺のオフィスに出社できることを前提に、電車通勤の限界地点を探してみた(私鉄は除く)。

調査に当たっては、「通勤手当」が最も重要なポイントとなる。いくら遠くから通えたとしても、会社がその金額を負担してくれなければ自腹になるためだ。そこで、企業の通勤手当について特定社会保険労務士の佐藤広一さんに伺った。

「労務行政研究所が出している労務時報によると、企業が負担する通勤手当の上限は非課税限度額である10万円/月が最も多く、次いで5万円/月。平均では7万2917円/月という数字が出ています。ただし、中小企業では2~3万円/月を限度とする場合が多いですね。また最近は、企業の負担が大きいために、新幹線通勤制度は廃止しているところが増えていますね」

なるほど、大手企業では平均で約7万円まで出してくれるとは、意外に太っ腹。この結果を受けて、今回は定期代が7万2917円以内で、午前9時に東京駅に到着できる駅を、時刻表を目安に在来線・新幹線に分けて調べてみた。

まずは、在来線。東京駅を中心に東西南北各方面の主要路線の限界は以下の通り。

【北方面】
○東北本線・那須塩原駅(栃木県) 定期代7万2090円/5:58発 8:53東京駅着
○上越線・上牧駅(群馬県) 定期代7万2490円/5:10発 8:28東京駅着
○常磐線・小木津駅(茨城県) 定期代7万2490円/6:10発 8:58東京駅着

【東方面】
○内房線・千倉駅(千葉県) 定期代6万4880円/5:54発 8:22東京駅着
○総武本線・銚子駅(千葉県) 定期代5万7320円/6:04発8:25東京駅着

【南方面】
○身延線・富士宮駅(静岡県) 定期代7万2090円/5:36発8:47東京駅着

【西方面】
○中央本線・長坂駅周辺(山梨県) 定期代7万2620円/5:51発8:57東京駅着

在来線の結果を見ると、7万2917円の通勤手当では約3時間前後の通勤時間となり、かなり遠くまで行けそうだ。ちなみに、総務省が行った「住宅・土地統計調査報・関東大都市圏」(2008年 6813世帯に調査)によると、片道通勤時間の平均は45.9分。実際、3時間以上かけて通勤する人は、かなりのレアケースといえる。

一方、新幹線通勤が可能な場合はどうなるのだろう。JRが発行している新幹線用の通勤定期乗車券「フレックス(自由席利用)」を例にとって、各方面における定期代と通勤時間を調べてみた。

○東北新幹線・大宮駅(埼玉県) 5万3020円/25分
○上越新幹線、長野新幹線・熊谷駅(埼玉県) 6万8020円/40分
○東海道新幹線・小田原駅(神奈川県) 7万0570円/36分

新幹線の場合、定期代がすぐに7万2917円を超えてしまう。東北新幹線は定期代に余裕があるように見えるが、次の小山駅になると7万5170円となり上限を超えてしまう。しかし、現実を見るとこれらの駅以遠から通勤している人もいるので、通勤手当事情は当然会社によってかなり差があるのだろう。また、定期代は3カ月や6カ月単位で購入すれば、1カ月当たりの金額を抑えることもできる。確かに、ここまで離れれば住環境を充実させることはできそう。会社までのアクセスを取るか、住環境の充実を取るか…。次の引っ越し時に、検討してみては?
(船山壮太/verb)

※この記事は2012年03月に取材・掲載した記事です

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