課長の4割が「不安を感じている」!?

上司の悩みとその原因、知ってる?

2014.06.15 SUN


R25世代のサラリーマンなら、「いずれは課長になりたい」などと出世欲を持つ人も少なくないだろう。とはいえ責任が大きくなればその分ストレスも増えそうで…。そこで着目したいのが、産業能率大学が2010年に行った「上場企業の課長に関する実態調査」。データによると、上場企業の課長の43.7%が「メンタルヘルスに不安を感じたことがある」と答えている。ではいったい、その不安の原因はどのようなところにあるのだろうか? 産業能率大学総合研究所の主席研究員・金津健治さんにお話を伺った。

「本調査で悩みの原因としてもっとも多く挙げられたのが『業務量が多すぎて余裕がない』の33.6%。これはリーマン・ショック以降の不況が関係していると思います。どの企業も事業環境が厳しさを増すなか、それでも企業としては成長を目指さなければなりません。当然、中間管理職に対する上からのプレッシャーはきつくなります。となると、成果を出すためにあらゆる手立てを行わなければならず、業務は増えてしまいます」

業績が低迷していれば当然、人を増やすのも難しい。一方で、金津さんいわく「仕事を減らす習慣を持つ企業は少ない」とのこと。つまり業績を伸ばすためにやるべき仕事は増え続けるが、業績が上がらない限り人手は増えず、結果的に現場の仕事量は増える一方というわけだ。この状況は、現場をマネジメントする課長にとって実にストレスフルである。

「次に多かったのが『部下の人事評価が難しい』の32.9%。これは年功序列型賃金制度が崩れ、成果主義の企業が増えていることもかかわっていると思います。つまり、昔に比べ年上の部下が多くなり、指導に気を遣うのでしょう。このような場合には、年長者の自尊心を傷付けないよう、彼らの強みを生かすような指導が必要なんですね」(金津さん)

仕事の振り方ひとつを取っても、年長の部下には「経験のある○○さんが頼りなんです」と頭を下げてお願いするような姿勢が求められるという。これは確かに気疲れしそうだ。ちなみに3番目に多かったのは「部下がなかなか育たない」という悩みで、29.7%を占めている。

「3番目の悩みは、自身の業務量とも関係しています。やるべき仕事が増えてしまうと部下への指導や評価に時間を割けなくなりますよね。本調査でも、自身のプレイヤー活動(営業や実務)が増えることによって『マネジメント活動に支障がある』と答えた課長が54.8%に上りました」(同)

そのほか、特定の分野で自分より知識が上回る部下をどう指導すべきか悩む上司も多いよう。「上司=すべてが上」なら上司の威厳も保ちやすいのだろうが、変化のスピードが速い昨今、昔のノウハウは通用しにくい。環境変化に対応し、新たなノウハウや知識を持つ部下をマネジメントするためにも、継続的な勉強は欠かせないようだ。

「この調査は単発のものなので過去と比較はできませんが、いつの時代も課長の立場は悩みが多く、おそらく昔も今も精神的負担が大きい点は変わっていないのではないかと思います。ただし、悩みの原因は時代によって変わります。今後は、セクハラやパワハラ、メンタルヘルスなどに関する悩みは増えるでしょうね」(同)

上と下から挟まれる立場はなかなか厳しいもの。とはいえ、お鉢が回ってくれば避けて通るわけにもいかない、という人も多いだろう。今から心の準備をしておいた方がよさそうだ。
(河合力)

※この記事は2012年03月に取材・掲載した記事です

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト