難民支援や水質浄化、貧困問題etc.

NPOへの転職 はじめの一歩は?

2014.06.20 FRI


阿野陽 / PIXTA(pixta.jp)
東日本大震災が起きてから、様々なメディアで復興支援に励むNPO団体が紹介された。彼らの姿は心強く、NPOの活動に興味を持ったという人も少なくないはず。彼らと共に働きたいと思った人もいることであろう。

でも、NPOに就職・転職したいと思ったら、どうすれば良いのだろう。全国のNPO支援を行っている日本NPOセンターの新田英理子さんにお話を伺った。

「NPOとは、仲間内で作った小さなボランティアグループから、法人格を持った団体(正式名称:特定非営利活動法人、通称:NPO法人)まで色々なものを指しますが、就職となるとNPO法人が主な対象になると思います。現在、NPO法人として活動する団体は約4万あるのですが、各地には私たちのようにNPOを支援するNPOがあります。そのなかには地域のNPO法人のデータベースを持っているところもあるので、まずはそういった地域のNPO支援組織をのぞいてみてください」

今では全国のNPO法人を検索できるwebサイトなども多数あり、団体を探すのはわりと容易にできるとのこと。ただし“NPO法人に就職したい”と考えて動くのは、あまり賛成できないようだ。

「NPO法人とはあくまで特定非営利活動法人の意味であり、団体ごとに活動の内容はまったく異なります。大切なのは、そこに入って何がしたいか。“NPO法人に就職したい”というのは“会社に就職したい”と言っているのとさして変わらない人なんですよね」(新田さん)

確かにNPO法人の活動は、難民支援から貧困問題、水質浄化まで、活動内容は本当に多種多様。
ところでこのNPO法人。“非営利”ということだが、働いている人は給料をもらえるのだろうか?

「非営利というのは“利益追求を目的としない”という意味で、活動における経費を寄付金や事業などによりまかなうことは可能です。なので、団体によっては人件費という形で給料が支給されていますね。ただし、一般企業のように業績に合わせて給料が増えたり、臨時ボーナスが出たりということはありません。基本的には年初の時点で、年間の人件費が決められます」(同)

勤務体系や社会保険なども、基本的には一般企業と同じ。とはいえ、給料を支払いながら活動するNPO法人は全体の50%に満たず、そこへの就職は狭き門ともいえそうだ。
では、NPO法人で働く上での心構えはあるのだろうか?

「NPO法人のほとんどは有給スタッフが10人に満たない小さな団体で、しかも中心となる人は大変強い志を持って活動しています。町工場や職人のイメージと近いかもしれません。そのなかで働くのですから、強い覚悟と慎重な選択が必要です。その団体は誰が設立し、何を目的に活動しているのかしっかりと調べ、自分に合っているのかどうかよく考えることが重要です」(同)

利益追求を目的としないNPO法人だからこそ、少数派に目を向けた活動ができるという存在意義がある。しかしその分、そこで働くには確かな動機と意志が必要になるようだ。

もうすでに“こんな活動がしたい”というイメージや“こういう制度を変えたい”という具体的な意見がある人は、その思いに呼応しそうなNPOを探してみると良いだろう。
(河合力)

今年で10周年になるというべロタクシーを運営するのはNPO法人 環境共生都市推進協会。環境に優しい新しい交通システムと、動く広告がひとつになった乗り物として開発された自転車タクシーだ

※この記事は2011年08月に取材・掲載した記事です

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