農業を営むカイシャ

農業法人は未経験でも転職可?

2014.06.20 FRI


昨今の農業ブームや食に対する関心の高まりを受け、「農業を仕事にしたい!」と考える若者が増えているのだとか。だが、実家が農家でもない限り、未経験者が農業を生業にするのはなかなか難しい。そんな人にご紹介したいのが、株式会社のような法人として農業を営む「農業法人」への転職だ。社団法人・日本農業法人協会の常務理事を務める橋本和孝さんによると、農業法人は個人農家に比べ前職の経験を生かして農業に携われる可能性が高いという。

「求める人材の実家が農家かどうかは関係ないし、農作業だけが仕事というわけでもありません。農業法人も他の一般企業と同じように、生産だけでなく加工や販売をすることもあるし、経理や営業を専門に行うスタッフなども必要です。また、レストラン事業やギフト事業を展開するため、接客やネット販売のノウハウを持つ人材を求めることもありますし、なかには経営パートナーや後継者を求める法人も少なくありません」

どうやら農業未経験者にもチャンスの扉は大きく開かれているようだが、求人情報はどこでキャッチできるのだろうか?

「まずは、全国新規就農相談センターと当協会が開催する『新農業人フェア』に参加してみてはいかがでしょう? 全国の主要都市で農業法人や地方自治体がブースを設け、求人や就労の相談に親身に対応していますよ」

農業の現場を見たことがないので不安という人は同協会が仲介する「農業インターンシップ」を利用して、農場で就業体験をしてみるのもよいという。

気になる待遇面は法人ごとに異なるものの、新卒の初任給は平均約15万円、正社員の平均給与は約20万円となっている。労働時間に関しては、農業は天候などの自然条件に左右されるため、労働基準法の規定は適用除外。例えば露地栽培の場合、農繁期と農閑期で忙しさは雲泥の差。農繁期にはほとんど休みが取れない時期もあるなど、普通の会社の勤務形態とはだいぶ異なる。もっとも畜産や施設園芸などはほぼ通年で仕事があるので、分野によって差があるのが実情だ。とはいえ、深夜割り増しなどの適用はあり、タダ働きにはならないのでご安心を。

「現在は、労働時間と休日を就業規則で明確にする法人も増えており、休日は週1の場合が多いようです。作物や畜産などの成長過程に応じて作業をするため、たとえ管理部門であっても工場のように年中同じ作業をするわけではないことを理解してほしいですね」。

これらの条件をどうとるかは、人それぞれだが、会社員としてある程度の保証を受けながら、経験を積めるのは、農業未経験者にとって大きなメリットだろう。しかし、相手は常に自然や生き物。あこがれだけで転職すると、厳しい現実を目の当たりにすることも少なくないんだとか。

「『自然のなかでのんびり農業を営む』というイメージだけで農業法人の門をたたく人は注意が必要です。農業法人も、ほかの業種の企業同様、利益を確保しなければ存続発展できません。甘い考えでは、決して通用しないことを肝に銘じておく必要があります」

どんな仕事も、甘くはない! しかし、やる気と目標があれば、未経験でもチャレンジできる農業法人の存在は、農業に関心を持つR25世代の大きな足がかりとなるかもしれない。
(桑島志乃)

※この記事は2011年09月に取材・掲載した記事です

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