人材コンサルが語る“出世”の真相

SNSの自己アピールは「無意味」

2014.06.24 TUE


「ソーシャルメディアで培った人脈は意外にもろく、いざという時に役に立たない」と常見さん。SNSでせっせと自己アピールしてフォロワーを増やすより、たとえ数人でも身近にいる人を大切にすることが重要だという
SNSが広く普及し、ひと昔前に比べれば個人が「自己アピール」できるチャンスは格段に増えた。最近ではSNSを活用して自分をブランディングすることで市場価値を高め、キャリアアップにつなげることを指南するビジネス書も多い。

確かに自分をうまくアピールして一介のサラリーマンの枠を超えた人脈を築いたり、活動の幅を広げたりしている人を見るとうらやましいような気もする。厳しい競争社会で他人より一歩リードするためには、ある種の「目立ちたがり精神」が必要なのかもしれない。

ただ、こうした自己アピールが奏功するのはほんのひと握り。一般的な会社員にとって、外向きの自己発信は「ほとんど役に立たない」と指摘するのは人材コンサルタントの常見陽平氏だ。

「サラリーマンの出世やいわゆる“キャリアアップ”という観点からみれば、SNSでいくら頑張って自分をアピールしたところでほとんど意味はありません。むしろ、下心丸出しの痛い人に見えてしまうことの方が多いですね」

一般的に「目立ちたがり屋」は承認欲求が強く、それが出世の原動力になることはあるだろう。しかし、様々な自己表現ツールがあふれている今だからこそ、アピールの方向性を間違えると、単なる「自分大好き人間」「かまってちゃん」のそしりを受けるなど、残念な結果を生むこともある。大切なのは外向きではなく内向きのアピールだと常見さんは言う。

「外向きのどうでもいいセルフブランディングより、社内でコツコツ自分をアピールする方がよほど建設的だと思います。例えば、ツイッターやフェイスブックにビジネス書の書評やビジネス系セミナーへ参加したことをアップし“意識高い自分”をマス(大衆)にアピールしたところで、『いいね!』は稼げても市場価値は上がらない。それなら努力していることや自分が現在取り組んでいる仕事の成果を、丁寧に上司に伝えていくべき。そうした“社内向けのブランディング”をコツコツとやって社内での評価が高めていけば、出世だけでなく転職にも有利になるわけですから」(同)

自分をぐいぐいアピールできるバイタリティがあるのは悪いことではないが、やり方を間違えて「悪目立ち」しないよう気をつけたいものだ。
(前田智行)

※この記事は2013年6月に取材・掲載した記事です

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