日本一多い社名「アシスト」は609社

同じ「社名」の会社が多いワケは?

2014.07.18 FRI


ランキング上位の社名には社会貢献や発展、躍進する企業をイメージさせる言葉が並ぶ。ちなみに商号には、屋号の先頭や末尾でなければ「&」「‘」「,」「‐」「・」の記号は使用でき、「!」や「?」は使うことができないそうだ
東京商工リサーチが5月に「日本企業の社名ランキング」を発表した。調査によると、全国261万社のうちもっとも多い社名は「アシスト」で、なんと609社もあるという。2位は「ライズ」で515社、3位は「アドバンス」で478社。

ここで疑問なのが、世の中にこんなに同じ会社名が存在していいの!? ということ。

「同じ商号で会社を設立する場合、本店の所在場所か商号の表記のどちらかが違えば登記することができます」

とは東京リーガル・パートナーズ司法書士事務所の司法書士、奈良弘路さん。奈良さんによると、商業登記法上あらたに登記できないのは

「他の株式会社が既に登記した商号と同一の商号を用い」
かつ
「その本店の所在場所が他の株式会社の本店の所在場所と同一」
のとき。

つまり「千代田区大手町1-1-1株式会社アシスト」という法人がすでに登記されていた場合でも「千代田区大手町1-1-2株式会社アシスト」や、同じ所在地でも表記が異なる「株式会社Assist」や「株式会社あしすと」は設立登記が可能なんだとか。

ただし、このルールはあくまで商業登記法上のもの。会社法や不正競争防止法では、同一または類似する商号を使用することで既存の企業に営業上の損害を与えた場合、その商号の使用の差し止めや損害賠償の支払いを求めて訴えられる可能性もある。

「大企業の場合は一般的に商標登録も行っているので、商標権を侵害してしまうおそれもあります。いずれにせよ、訴えられる可能性がある以上あえてリスクのある商号を選ぶのは得策ではないでしょう」

実際にランキング上位の名前を持つ数社に聞いたところ、法律上のリスク以外にも「人気の社名をつけることでネット検索時に埋もれがち」「間違い電話がかかってきやすい」などのデメリットもあるそうだ。

その一方、取材した各社がメリットとしてあげていたのは、なんといっても「覚えてもらいやすい」という点。多くの人が命名したくなる社名というのは、やはりそれだけわかりやすい名前ということのようだ。

ちなみに上位20の社名のうち、カタカナ名が16を占める。日本語社名でランクインしているのは「工務店」か「建設」を名乗る社名のみ。ある意味日本の産業構造が透けて見える結果といえそうだ。
(有栖川匠)

※この記事は2012年7月に取材・掲載した記事です

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