キャリア・年齢を問わず立候補できる企業も!

ユニーク「海外赴任制度」続々登場

2014.07.20 SUN


KLabの「海外要員公募制度」は、書類審査や複数回の面談を経て海外赴任者を選考。受からなかった場合も希望者はデータベースに登録され再選考の機会がある
「海外赴任」というと、ひと昔前までは商社やメーカーが中心のイメージだったが、近年は様々なジャンルの企業が積極的に行っているという。このような動きの背景にはどんなことがあるのだろうか? 企業で働く人材の海外赴任をサポートする「留職」プログラムを行うNPO法人クロスフィールズ代表の小沼大地さんはこう語る。

「日本の市場が飽和しつつあるなかで、海外に新たな市場を求める動きが高まっているのが一番の理由でしょう。特に、成長余地の大きい新興国にはビジネスチャンスが多いですから。ただ、国ごとに文化が大きく異なるため、事業を始めるには現地に人材を赴任させ、現地社会について肌感覚で理解する必要がある。近年、様々な企業が海外赴任に積極的になるのはこうした背景があるんです」

加えて、異国の地で一から何かを作っていく経験は社員の成長を加速させる。従業員教育の観点からも海外赴任に注目する企業は多いという。

実際、独自の「海外赴任」システムを採用する企業も増えている。その筆頭といえるのが、今年5月に史上最短で東証一部への市場変更を達成した急成長IT企業KLab(クラブ)の「海外要員公募制度」だ。同制度は、キャリアや年齢に関係なく海外赴任に立候補できるシステムで、即戦力はもちろん、「研修生」として経験を積むために3カ月程度の海外赴任を希望することも可能だ。

「今期を“海外進出元年”と位置付けている当社では、すでに拠点を設置しているフィリピンやサンフランシスコ、近日中にオフィスを開設する中国などで活躍できる人材を投入することが必要不可欠です。一方で、今後を見据えて人材を育成することや、会社全体をグローバル化していくことも重要なミッションと考え、この制度を定めました」(KLab広報担当者)

同制度の応募条件は「TOEIC600点以上(目安)」と「自ら海外赴任を希望する熱意や積極性」の2つが中心。担当業務との兼ね合いなどを気にせず自由に応募できるよう、上司や同僚への報告は不要となっている。

「海外赴任の期間や内容についても、応募者の希望と海外拠点の状況を折り合いをつけながら決めていきます。未知の領域にチャレンジしていく姿勢を養うチャンスとしても最適だと考えています」(同)

このほか、前述したクロスフィールズの「留職」を活用し、パナソニックでは専門知識や技術を持つ社員が4~5名のチームを作り、ベトナムなどの新興国に約1カ月間滞在。現地で起こっている問題の解決をするなかで生活文化やライフスタイルを学び、その後のビジネスに生かしていくという取り組みを行っている(Panasonic Innovation Volunteer Team)。また、医療メーカーのテルモも新興国の医療機関への社員の「留職」を今秋から開始するとのこと。

さらに、みずほフィナンシャルグループは、2013年春から海外赴任を前提とした新卒採用枠を設けることを発表。国内で研修後、海外拠点で実務にあたるという。

グローバル化が進むなかで、スキルを身につける「育成の場」としても注目される海外赴任。この動きは今後ますます加速しそうだ。
(河合力)

※この記事は2012年7月に取材・掲載した記事です

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