必要な語学力は? 給料は?

「海外NPO」転職へのハードル

2014.09.12 FRI


NPOとは利益を上げることを主としない団体のことを指す。海外NPOの活動は、途上国の貧困問題解決から医療提供、環境保全など多岐にわたっている
東日本大震災以降の社会貢献意識の高まりを反映してか、最近、民間企業からNPO団体への転職を希望する若者が増えているという。

ただ、いくら働きたくても、やはり民間企業に比べれば雇用の受け皿はそう多くはない。そこで、ひとつの選択肢として浮上してくるのが海外NPOへの転職。NPOの歴史が古い欧米では、働き口としての門戸も広く開かれている。

「海外のNPOで特に活動が活発なのは、資本主義かつ慈善・社会奉仕活動が根づくキリスト教の国です。代表的なところではアメリカが挙げられます。『富める者は社会的責任を負う』という思想があるため、資本家は寄付や社会貢献活動に対して無頓着だと財界で糾弾されてしまうことさえあります。そうした背景もあり、若者が企業と同列でNPOへの就職を考える風土も普通に根づいているんです」(独立行政法人労働政策研究・研修機構の小野晶子研究員)

さて、そんな社会貢献の本場で活躍したい! となった時、不安なのはやはり英語力。海外NPOで働くにはどの程度の語学力が求められるのだろうか?

「求められる語学レベルは仕事内容によって異なります。NPOでの仕事は大きく分けて、『経理や財務などの事務担当』『資金調達(ファンドレイジング)担当』『活動の企画を立て、進めていくコーディネーター』『現場担当』の4つ。そのうち、経理や資金調達担当は、完全にオフィスワークになるので一定以上の語学力は必須。コーディネーターも活動にあたっては交渉事が中心で、その多くは英語で行われます。一方、現場で業務にあたる場合は現地語でのコミュニケーションが主になるので、現地の言葉で最低限の会話ができないと厳しいと思います。どうしても語学力に自信がなければ、最初はボランティアからスタートする方がいいでしょう。もしくは、日本にある海外資本のNPOで働くという手もあります」(同)

そこで働きつつ語学力を磨けば、海外の支社で働く道も開けるかもしれない。また、語学以外にも自分だけの武器をひとつ持っていると、お声がかかりやすいという。

「海外のNPOは、プロジェクト単位で採用することが一般的です。何をしたいかにもよりますが、現場で働くなら専門性を身につけておくとよいでしょう。例えば、介護士、看護師といった医療・福祉関係などは有利かもしれません。また、ファンドレイザーは個人や企業、政府からの資金調達が仕事です。そのため、経営コンサルタントやなどの専門職からの転職は歓迎されるでしょう」(同)

ちなみに、気になる給料は15万~25万円程度と、現在の給料から下がる覚悟も必要なようだ。それでも、欧米では優秀な人材が集まってくるという。海外で現地の社会課題に取り組みたい! という熱い想いがあるなら、海外NPOの門を叩くのもひとつの道かもしれない。
(末吉陽子/やじろべえ)

※この記事は2013年9月に取材・掲載した記事です

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