最近、なに読んだ?

サンプラザ中野くんがハマった小説

2014.10.17 FRI

BOOKレビュー


『三軒茶屋星座館 夏のキグナス』柴崎竜人/講談社/1404円 三軒茶屋のプラネタリウムを舞台に、風変わりな“父子3人”と周囲の人々の絆を描くエンタメ小説シリーズ第2作。5つの星座の“超訳ギリシャ神話”が登場人物たちの物語とシンクロし、現代に蘇る。 (桜井としき=撮影)
今年でデビュー30周年。近年は様々な健康メソッドの実践者としても知られる歌手・サンプラザ中野くん。彼の読書遍歴と、昨年1作目を読んでハマったというエンタメ小説シリーズについて話を聞いた。

――中野さんは、普段どんな本を読まれるんですか?

よく読むのは、いわゆるスピリチュアル系ですね。30代半ばで体調を崩したり父を癌で亡くしたりして、健康関連の実用書を真剣に読むようになったんです。もともと小説は読んでいたけれど、高校生くらいからブランクがあって、再び読書を始めたのがその頃で…。

――それがのちの健康マニア的な活動につながるんですね。

そうですね。健康法を突き詰めていくと、カラダとココロがつながってくるんです。スピリチュアルに詳しい人たちと知り合うことも増えて、日本の神話や神社の由来などにも興味が湧いてきました。

――ギリシャ神話はどうですか?

あまり詳しくないけど、この『三軒茶屋星座館』を読んで勉強したくなりました。星座館店主の和真が解説するギリシャ神話が面白くって。

――白鳥座の神話をクラスのヒエラルキー争いにたとえたりして、神様が現代的で俗っぽいですよね。

それに、神話とストーリーが重なり合って展開するからどんどん引き込まれます。個人的にはシリーズ1作目に出てきた暴力的な描写が印象的。僕はダークな世界を見ずに生きてきて、暴力で何かを解決する方法っていうのを全然知らないんです。作者の柴崎竜人くんは元銀行員という経歴の持ち主なんですが、なぜプロの暴力をこれほどリアルに描けるのか。実際に黒い裏社会を見てきたんじゃないかと勘繰ってしまう(笑)。

――この話はフィクションですが、実在の街が舞台になっています。三軒茶屋に行かれたことは?

僕は毎週、あの街でラジオをやっているんですが、作中で星座館がある三角州って方向感覚が狂うような変な場所なんですよ。ほどよい猥雑感があるし、新宿みたいに記号的な街じゃないから話がどう転がるかわからない面白さがありますね。

――好きな登場人物は?

たくさんいますよ。でも、残念なのは好きなタイプの女の子が出てこないこと。月子は幼すぎるし、葵はミュージシャンだし。同業者は女性として見られないんですよね…。


【サンプラザ中野くんの読み方】

▼スピリチュアル本を読んでも最初はピンとこなかった

「30年ほど前に世界中でスピリチュアルブームを巻き起こした女優、シャーリー・マクレーンの本を読んだのが最初。幽体離脱や神秘体験みたいな話が書いてあるんですけど…まあ、その時はよくわからなかったですね」

▼今気になっているのは、古事記などの日本神話

「詳しい人と一緒に神社に行くと、ここにはどの神様が祀られているとか、どんな由来で島ができたとかいう話を教えてくれるんですよ。宗教にハマったことはないんですが、神や神話についての知識欲は強まっています」

▼本のいいところは、自分の時間で読めること

「音楽なら1曲5分、映画なら2時間。作品の時間に合わせないといけないけど、本は自分の時間で味わえるのがいい。深読みしたいところをゆっくり読んだり、気になるところがあったら前に戻ったりできますから」

(宇野浩志=取材・文)

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