日・中・インド・シンガポール4カ国でこんなに差が!

日本vs.中国「理想の上司」比較

2014.11.29 SAT


わずか1つの項目だけでも、「理想の上司像」は国によってこんなに異なる。日本企業にとってアジア市場への進出は不可避。この記事をご覧になっているあなたも、近い将来、現地に赴任して現地スタッフの部下を持つ可能性は十分にある 図版/藤田としお
「ウチの上司はリーダーシップが足りない」「○○部長は現場がわかってない!」――居酒屋で耳をすませば聞こえてくる、上司への不平不満。上司だって人間だし、完璧な上司などいるわけがない。そうわかっていても課長には「理想の上司」像を求めてしまう。そんな“部下”も多いのでは? だが、どんな上司を“理想”とするか、個人差も大きい。

そんな「理想の上司像」を考える上で面白い調査結果が、11月28日、リクルートマネジメントソリューションズから発表された。同社が日本・中国・インド・シンガポールの会社員に調査したところ、「理想の管理職」像に大きな違いがあることがわかったのだ。

この調査は今年3~4月、4カ国の会社員1200人(各国300人ずつ)を対象にインターネットで行ったもの。
様々な項目ごとに「どちらが理想の管理職だと思うか?」を尋ねると、日本と他国で正反対の結果が出たものも多かった。特に差が大きかったのは、「上司の命令」に対する考え方。

A:部下が命令違反をしたら、成果を上げたとしても、それをとがめる上司
B:部下が命令違反をしても、成果を上げれば、それをとがめない上司

この2タイプについてどちらが“理想”か聞いてみると、日本は「Aタイプ」を“理想”とする人が6割に上る一方、中国は「Bタイプ」を理想する人が7割に及んだ。インド、シンガポールも「Bタイプ」を理想する人が6割に上り、日本とのギャップが大きい。日本以外の3カ国は「とにかく成果が上がればOK」という上司が支持されやすい模様。

日本人からすると、「成果至上主義」ともいうべき考え方に違和感を覚えるところだが、こうした傾向は他の項目からも読み取れる。特に日中間では差が大きい。たとえば

A:個人目標の達成のみを評価する上司
B:個人目標の達成以外に周囲への支援の有無も評価する上司

日本では「Bタイプ」を“理想”とする人が7割に上るが、中国では「Aタイプ」を理想する人が過半数(55%)を占める。
中国人の“個人主義”的なスタンスはよく指摘されるが、そうした傾向は確かにあるようだ。

そしてユニークなのは、次の項目。

A:着実な成果が期待できるような、リスクの低い目標を立てる上司
B:大きな成果が期待できるような、リスクの高い目標を立てる上司

成果を重視するなら、中国では「Bタイプ」が“理想”かと思いきや、8割が「Aタイプ」を選択。一方、日本では「Aタイプ」が“理想”という人は5割にとどまった。どうやら中国では「成果」が重視されるあまり、「失敗を恐れる」心理が働いている様子。

逆に日本の場合、「成果が上がらなくても、チャレンジした“プロセス”を評価してもらえる」という安心感が、高い目標を掲げる上司へのポジティブ評価につながっているようだ。

日本企業が続々とアジアへ進出している今、僕らもいつなんどき中国人やインド人の部下を持つことになるかわからない。そんな時に日本の“常識”で接したら“総スカン”なんてことにもなりかねないので、注意が必要だ。

ただし、最後に1つ安心材料を。各国の会社員に「現在の上司に満足しているか」尋ねたところ、「あてはまる」と答えた人の割合(※)は1位中国(89.3%)、2位インド(82.0%)、3位シンガポール(62.9%)、4位日本(51.0%)という結果に。実は上司に一番厳しいのは、日本の“部下”なのかもしれない。(目黒 淳)

※「非常にあてはまる」「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」と答えた人の割合

※この記事は2012年11月に取材・掲載した記事です

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