年間6%が廃業!10年後の企業は半分だけ…

「会社が倒産!」その時どうする?

2014.12.26 FRI


経営者は会社の存続が危うくなっても、社員に悟られないようにするのが一般的。よって倒産は“突然”やってくることが多い。 画像提供/PIXTA
年末になると増えるのが企業の倒産。「自分の会社に限ってそんなこと…」なんて思う人もいるかもしれないが、なんの予告もなく突然会社から「倒産」宣言されるパターンも多い。そんな不測の事態に陥った時、社員はどう対処したらいいのだろうか? 経営危機コンサルタントの内藤明亜さんに聞いてみた。

「もし倒産で解雇となったら、『未払い分の賃金』や『退職金』、1ヵ月分の給与に相当する『解雇手当』などの社員の権利(労働債権)がなくなることはありません。また、雇用保険に加入していれば『失業手当』などの手当を受けることが可能です。それらの権利を取りこぼさないためにも、会社の倒産が分かったら真っ先に会社側に、どのように対処したらいいのか確認してください。社長に連絡が取れなくなっていたら代理人の弁護士がいるかを確認することが重要です」(内藤さん、以下同)

ひとくちに「倒産」といっても、経営者がきちんと弁護士を雇って手続きを行う場合と、何の手続きもせずに逃げてしまう場合とでは、大きく状況が異なる。もし前者なら、倒産して当事者能力を失った社長の代わりに、弁護士が従業員の労働債権を確保してくれる。

「ただし、弁護士は基本的に経営者の味方。もし弁護士が労働債権をないがしろにしようとしたら、毅然とした態度で交渉することがポイントです」

一方、社長が法的な手続きを取らず、姿を消してしまったらどうしたらいいだろう?

「その場合は『労働者健康福祉機構』という機関に相談してください。ここに申請すれば未払い給与や退職金などの八割相当を国が立て替えてくれます(ただし解雇手当は対象外)本来なら経営者もこの機関に赴く必要がありますが、社長が逃げてしまい連絡が取れなくとも、担当者にきちんと事情を説明すれば、支給される可能性は大いにありますよ」

また、雇用保険に加入していたのなら失業手当もしっかり受け取りたいところ。そのためには、失業後10日以内に会社から離職票を受け取らなくてはいけないが、「社長や経理と連絡が取れず、離職票がもらえなくても、とりあえずハローワークに行くべき」と、内藤さん。

「ここでも職員にしっかりと事情を話して、強く訴えることがポイントです。給与明細などがあれば、それが雇用保険を支払っていた証明にもなります」

東京商工リサーチの発表によれば、2013年は300万社以上あった会社のうち、1万855社が倒産している。ところが「このような調査で“倒産”とカウントされるのは、裁判所に届け出をして、なおかつ負債総額もある程度大きな会社のみ」だと内藤さんはいう。

「実際のところは、毎年1年間で7%以上の会社が廃業しています。ということは、単純計算で10年後には、現在ある企業の約半分はなくなることになる。小規模零細企業にお勤めなら、一度くらいは倒産の憂き目に合っても不思議ではないほどの規模で廃業が進んでいるのです」

どうやら、企業の倒産というのは思った以上に他人ごとではなさそうだ。万が一の時に泣き寝入りしないためにも、自分の権利は自分で守れるようにしておこう。
(松原麻依/清談社)

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