定年は70歳! 一人あたりの平均転職回数4~5回!

大転職時代到来は本当に来るのか?

2015.02.08 SUN

2009年に発行された『百年続く企業の条件』(朝日新聞出版、帝国データバンク資料館・産業調査部編)によると、国内約125万社の平均寿命は40.5年。世間でよくいわれる「企業寿命30年説」を大きく上回っている。

しかし、これはあくまで企業全体を平均した場合の年数。今年2月に東京商工リサーチが発表したデータによると、倒産企業の平均寿命はなんと22.4歳! 仮に22歳で就職して、60~65歳まで働くとすると、その間38~43年あるから、いくら終身雇用を望んでも、企業の寿命のほうが短い場合もあるわけだ。つまり、ビジネスマン人生において少なくとも1度の転職は当たり前の時代といっても過言ではないだろう。(実際、筆者の周りのR25世代も、理由はさまざまながら、すでに1~2回の転職を経験している人が多い)

とはいえ、キャリアアップをはかるための前向きな転職なら良いが、会社の倒産による転職は、できれば避けたいというのがホンネ。そこで、われわれを取り巻く経済環境が今後どう変わっていくのか、日本経済研究センター 主任研究員 坪内浩さんに伺ってみた。

「この10年の傾向を踏まえると、今後10年は海外、特に中国などアジア経済の成長による輸出増が見込まれるため、外需が設備投資や消費をけん引し、日本経済の実質成長率は1.2%と、過去10年を上回ることが期待されていましたが…」

今回の震災による経済的ダメージが大きいため、現時点では今後の成長率は予測しづらくなっている模様。ただ、震災前の市場環境に戻れば、労働賃金の上昇や、失業率の低下も期待できるという。ならば、われわれの身近な労働環境はどうなるのだろう?

「これからの日本は、年金受給年齢の引き上げなどで、働かなくては生活できない期間が延びる一方、企業のライフサイクルが平均的に短くなるため、リタイアするまで1社に勤め続けられる可能性は低くなると予測されます」

本誌3月17日号の特集にてそう応えてくれたのは、東京大学社会科学研究所 佐藤博樹教授。高齢化の影響で、R25 世代はなんと70歳まで働かなくてはならなくなるそう! 必然的に今までよりも転職回数は増えていくことになる。また、たとえ1社に勤め続けられたとしても、市場環境に適応するために事業内容を短いサイクルで変化させていく企業が多くなるため、1つの事業で蓄積した職業能力を、その後もずっと生かせる人は少なくなるとか…。では、そんな未来に向けて、我々が今しておくべきこととは。

「実務で得たスキルや知識を、現在とは異なる仕事にも生かせる応用能力をつけること。そのためには、自らの仕事の経験で獲得した知識やスキルを理論的に整理する時間が大切です」(同氏)

働きながら学校に通ったり、個人的に勉強したり…。一企業のなかでの出世だけを視野に入れるのではなく、いつ、どんな場所でも力を発揮できるよう、自分磨きのための有効な時間の使い方が大切になってくるようです。
(内藤香苗/クレッシェント)

※この記事は2011年4月に取材・掲載した記事です

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