アパレル販売、美容師などから問い合わせ増加

特化型「語もてなし」英会話に注目

2015.03.17 TUE


都心部のみならず、観光地の土産物屋さんなどでも「語もてなし」ニーズが高まっていくことが予想される
飲食店や小売店などサービス業の現場で、語学力UPの機運が高まっている。来店する外国人観光客を接客するにあたり、スムーズにやりとりできるようになりたい、という声がスタッフから出ているのだ。

背景にあるのは、訪日外国人旅行者の増加だ。2013年の訪日外国人旅行者は過去最高の1036万4000人に上った。銀座など繁華街では外国人旅行者の姿が目立つ。東京五輪開催決定も追い風となり、2020年には2500万人もの訪日客が見込まれている。

そんな変化を肌で感じているのが、小売・サービス業の現場だ。家電量販店や百貨店の店頭は、おみやげを買い求める外国人客で賑わっている。外国語で接客するシーンが増え、サービス業従事者も課題を感じているようだ。「職場で英語が話せなくて困った経験がある」と答えた人は48%と半数に迫る(リクルートライフスタイル「サービス従事者調査」より)。

だが、やはり「言葉の壁」を超えるのは容易ではない。短期間で総合的な語学力を上げるのは難しい。そこで注目されているのが、「職業特化型」の英会話だ。スクール事情に詳しい「ケイコとマナブ」編集部はこう語る。

「外国人客をおもてなしするために必要なやりとりは、業態によって異なります。ネイルサロンならデザインの希望をうかがう必要がありますし、飲食業なら“メニュー説明”が求められますよね。それ以外にも、たとえば“食物アレルギーの有無はどう尋ねたらよいか?”とか“ドリンクバーはどう説明したら良いか?”……といった専門的なフレーズが必要になります」

確かにこういった専門的なフレーズは、「日常英会話」とは毛色が異なる。その仕事に就いているからこそ必要とされる言い回しだ。

「特に、日本的なきめ細やかな接客=おもてなしをしようと思えば思うほど、それぞれの職種に特化した語学力が必要となります。おもてなしの基本は『語もてなし』なんです」(同編集部)

こうしたニーズの高まりを受け、店ごとに独自の語学研修を実施するケースも増えている。銀座のあるバーでは週2回、開店前に1時間“ていねい英語”の研修を行っている。おもてなしスキル向上の必要性を感じ、昨年9月から開始したという。また、外国人客の多い六本木のネイルサロンやヘアサロンでも、従業員に英語研修を実施する例が増えている。

一方、「ケイコとマナブ」編集部によると「職業特化型の英会話講座を設けるスクールも注目されている」そう。英会話スクールの「カスタマイズ英会話We」では、業種・職種に応じた英語を学ぶ「ジョビングリッシュ」コースを設置。
同じく英会話スクールの「COCO塾」でも、看護師や医療関連スタッフを対象に「医療関連コース」を展開している。

職業特化型の講座は、日常英会話やビジネス英会話コースに比べ、「短期で安い」傾向があるのも特徴。学習範囲が絞られているため、より効率的に学べるわけだ。ちなみに、前出の「カスタマイズ英会話We」では、2020年東京五輪招致の決定後、アパレル販売や美容師などサービス業従事者からの問い合わせが増加しているという。どうやら「語もてなし」ブーム、これからじわり拡大していきそうだ。
(目黒 淳)

※この記事は2014年3月に取材・掲載した記事です

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