誰も知らないクルマの雑学 第5回

カーボディランゲージで事故に!?

2015.03.24 TUE


カーボディランゲージで最も危ないのは、交差点での『ライトのパッシング』なのだとか。現状では“こちらが先に進む”と“お先にどうぞ”の全く正反対の意味で使われているとのことで、その誤解から重大事故につながりやすいといわれている 写真/PIXTA
クルマを運転していると、割り込んできたクルマがハザードランプを2~3回点滅したり、後続車からしきりにパッシングされたり…と、教習所では習わないような動作をするクルマにお目にかかることがある。

実はこれらは、『カーボディランゲージ』とか『カー・トゥ・カーコミュニケーション』と呼ばれる行為。自分の意思を伝えるために、一部のドライバーの間で使われる自動車版“ハンドサイン”のようなものだ。冒頭のハザードの例は、割り込みをさせてもらったときなどに出す“お礼”のサインとして使われるケースが多い。またふたつめの例は「追い越すからよけてくれ」のサインとして使うドライバーが多いが、前のクルマを急かす意味で使う不心得なドライバーもいるようだ。もともと自然発生的に生まれたローカルルールだけに決まりはなく、よく知らないドライバーからすれば危険極まりない行為ともいえる。いったいなぜこのようなローカルルールがまかり通っているのだろうか?

「カー・トゥ・カー・コミュニケーションは、“トラック文化”から自然発生したものともいわれています。たとえば、『ありがとう』の意味で使われるハザード。車体が大きいトラックでは自分の手で合図しても伝わらないので、その代わりにハザードを点灯させたことから始まったという説が有力ですね」

とは、JAFで交通安全・環境委員を務める自動車ジャーナリストの菰田 潔氏の談だ。ただ、時代やドライバー、さらに地域によって“サイン”が示す意味は異なる場合もあり、むやみに使うべきではないという。

「実は、国際交通安全学会の調査で、運転がうまいドライバーほど、こういった合図を使用しないという研究結果が発表されています。彼らは、こういった動作が思わぬ誤解を招き、事故の原因になりやすいとわかっているのかもしれませんね」

実際、車線変更をしてきたタクシーがハザードランプを出したのでお礼だと思ってそのまま走っていたら、直後にタクシーが急停車して追突した、なんて事故例もあるらしい。タクシーは客を拾うためにハザードランプを使ったわけだが、後ろのクルマはそれを“お礼”というローカルルールで解釈してしまい、事故を招いたわけだ。

また、交差点で右折待ちをしていたクルマが、対向車からパッシングされたので「お先にどうぞ」という意味だと思って右折したところ、対向車から突っ込まれた、なんて事故もあるとか。これは、「こっちが先に行くぞ」という意味でパッシングを使う人もおり、その解釈のズレが事故を引き起こしたといえる。

実際にクルマを運転していると、カーボディランゲージを使用するクルマはかなり多い。だが、これらの動作は誤解を生む元。そうした振る舞いをするクルマがある、ということは知っておいてもいいだろうが、やみくもに使うのはやはり避けるべきだろう。
(コージー林田)

※この記事は2012年3月に取材・掲載した記事です

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