禁止している企業が多いようだけど…

副業禁止規則 実は強制力なし!?

2015.05.21 THU


T-KONI / PIXTA(pixta.jp)
収入をアップさせるための手段としてあげられる「副業」。最近は、インターネットでのオークション販売など、自宅で簡単にできるものも増えており、副業を始めようと考えている人もいるはず。しかし、そこでちょっと確認してもらいたいのが、「本業」である勤務先の就業規則。なかには「副業禁止」と明記されている会社もあるのでは?

「就業規則を持っている会社の多くは副業の禁止を定めていると思います。理由は『兼業で過重労働になり業務に支障が出る』ことや『競合関係の企業と社員が接触する可能性を避けるため』などがあげられます」

お答えいただいたのは、ロア・ユナイテッド法律事務所代表の岩出誠弁護士。就業規則で禁止されているということは、会社にバレたら処分されるということ?

「どんな副業でも処分されるわけではありません。というのも『労働時間以外をどう利用するかは社員の自由』という見方もあり、副業をしているだけで処分するのは正当でないという判決も出ています。ただし先にあげた『過重労働』や『競合企業などとかかわっている場合』あるいは『副業の内容が会社の品位を落とす場合』など、会社の損害につながる副業をしているとみなされれば処分が認められるでしょう」(岩出さん)

たとえ就業規則に「副業禁止」と書かれていても、社会的に非難されている事業への就業や兼業による過労など、企業の評判や損害につながる可能性がなければ会社が副業を禁止する強制力はないという。一方でボランティアや地域活動など、たとえ収入のない活動でも、その疲労により業務に支障が出ていれば、その支障自体は処分の理由として有効になってしまう。つまり、本業以外で収入を得ること自体が問題というわけではないのである。

ちなみに、副業が会社に発覚するケースとして多いのはインターネット関連。SNSの書き込みなどを同僚伝いに上司が見て知ることもあるのだとか。前述のような実害を会社に与えないものならただちに処分されることはないが、岩出先生いわく、思わぬ場面で影響することもあるようで…

「たとえば企業がリストラを始めた時、社員の解雇理由につながりそうな情報を細かく探します。そこでもし『無断で副業を行っていた』という事実が見つかれば、多少なりとも従業員には不利に働くおそれがありますよね。短期間やっていただけでもリストラ対象にする理由にされかねません」(同)

だからこそ、たとえ就業規則に副業禁止と書かれていなくても、何らかの副業を始める場合は事前に会社側に対して申請した方がよいとのこと。企業の評判や損害に影響するものでなければ会社も禁止するのは難しいし、むしろ受理されない場合はその理由をしっかりと会社に問いただすくらいのスタンスでよさそうだ。

副業を行っている人、あるいは考えている人は、その辺の「リスク」を見直してみると良いかもしれない。
(河合力)

※この記事は2012年5月に取材・掲載した記事です

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