当面の生活費に不安を覚えるけど…

社会人→復学、決め手は○○の存在

2016.03.03 THU


竹内尚輝さん(横浜国立大学 先端科学高等研究院 特任准教授)。2010年に大手AV機器メーカーに入社するも、2011年に横浜国立大学大学院工学府博士課程へ復学。その後、情報通信研究機構特別研究員等を経て、現職に就任。 写真:林和也
一度は就職したものの、再び“学び”の道へ――。新たな夢に挑戦すべく大学への再入学を考える時に、まずネックになるのが学費の確保だろう。

復学に必要な資金は、私立文系の大学院で年間80~180万円(※1)、アメリカの大学院へ留学する場合は年間375万円(※2)ほど用意しなければならない。さらに、学費に加えて生活費もかかる。

実際に復学した人は、これらの不安をどうクリアしたのだろうか? 横浜国立大学先端科学高等研究院で特任准教授を務める竹内尚輝さんに、ご自身の復学の道のりを振り返ってもらった。

「大学院で電気回路の研究をしていたことから、大手AV機器メーカーの商品設計職に就職しました。しかし、製品に使うのは、既存の技術を組み合わせたもの。技術的な刺激が予想以上に少なく、1年目からモヤモヤしていました(笑)。そんな時、研究室のOB会で恩師から冗談交じりに『博士課程を取りに来ないか?』と誘われたのが、復学を考え始めたきっかけです」

そこから竹内さんは、半年ほど進むべき道について悩むことに。

「復学にあたって一番心配だったのは、やはり生活費です。恩師のもとへ何度も足を運び、金銭面の相談をしました。そこで、大学や国の支援制度や、一定条件を満たすともらえる給与があると知り、ひと安心でしたね。とはいえ、会社員時代より収入は確実に減るので、給料は可能な限り貯金に回さなければなりませんでしたが」

しかし、金銭面の不安をクリアしても、すぐに復学の道を選ぶことはできなかったという。

「『技術的な刺激が得られる』ことのほかにも、復学すべきと自分が納得できる理由や根拠を用意したいと思いました。それは『目指すべき先輩がいるか』。未来の自分の姿として会社の先輩と大学教授である恩師を比較した時、私には恩師の方が輝いて見えた。これも決め手の一つです」

そんな竹内さんは、今後のキャリア像をどう考えているのか?

「どういった形であれ、研究を続けていきたいですね。迷うことがあっても、理由と根拠があれば、どんな道を選んでも自信が持てると思います」

復学資金に関しては、各助成財団で公募する助成金のほか、各大学・大学院でも独自の奨学金制度を用意していることが多い。決して安からぬ自己投資だが、これらの制度を利用することで、新たなキャリアの道が開けるはずだ。
(中道薫/ノオト)

出典:
※1 大学&大学院.net「大学院の初年度納入金相場例」
※2 留学ジャーナル「留学の費用」

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