社会人10年目、起業経験は4.3%

社長には、ビジョンよりも経営知識が課題?

2016.03.03 THU


今村ひろゆきさん(まちづくり会社ドラマチック 代表社員)。2010年に同社を立ち上げ、2011年に同社を法人化。クリエイター向けアトリエ・オフィス・ショップの拠点開発・不動産再生を行い、拠点の立地する街の資産に注目したイベントやプロジェクトを展開中 写真:小島マサヒロ
女子高生社長が注目を浴びるなど、一昔前より「起業」が身近なものになっている。これから社会に出る新社会人のなかには、「将来、一旗揚げたい…!」と意気込んでいる人もいるだろう。

とはいえ、安定した収入を確保できなくなるなど、起業にはリスクがつきもの。実際、社会人10年目300人を対象に調査(協力/アイリサーチ)したところ、起業を経験したことがある人はわずか4.3%だった。一大決心をしなければ、飛び込めないのは間違いない。

では、そんな数少ない起業経験者は、どんなきっかけで会社をつくるのだろうか? また起業家に必要な資質とは? 就職後、会社を興して5年目を迎える、実践者に話を聞いた。

「大学時代から起業に興味はありました。サークルの立ち上げなどを経験し、誰かの下につくよりも、自分主導で企画して動かすほうが向いていると感じていたんです」と話すのは、まちづくり会社ドラマチックの代表社員・今村ひろゆきさん。

とはいえ、就職活動時はまだやりたいことが見えず、ぼんやりと「世の中に新しい提案ができる仕事がしたい」と考えてIT業界へ就職。

「でも、2年目で『違う!』と思っていましたね(苦笑)」

学生時代にバックパックで海外を旅し、様々な街の在り方に関心を持っていたことから、今度は都市開発に関わる企業に転職。そこで、「街づくり」が自分のフィールドになると確信した。

「商業施設の総合プロデュースに携わるうちに、『新しく何かを作るより、今残っている建物を活用できないか』『少ない資金しかない挑戦する人たちを支援したい』と考え始めました。でも、それを実現するには当時の会社では難しく、起業が最良の選択だと思いました。会社を辞めようかとも考えましたが、学べることも多く、安定した収入も必要。まずは勤務時間を減らせないか上司に交渉しました」

こうして、二足のわらじで自らの会社を動かしていくことに。ところで、起業はどんな人が向いているのだろうか?

「『起業って、自分にもできるじゃん』とポジティブに捉えて、行動できる人だと思います。私も起業自体はあまり大変だと感じませんでした。預金通帳が寂しくなるなど冷や汗かくことはありましたが(笑)」

一方で、会社を起こして初めてわかった大変さも語ってくれた。

「会社を継続させることは、始めることの何倍も難しい。事業が形になるまで調査や打ち合わせを重ねたり、PRも自力で行ったりと、地道な努力と行動が不可欠です」

中小企業庁の発表(※)によると、起業直後に直面した課題では「財務・会計を含む経営知識」が最多。事業を軌道に乗せるには、画期的なアイデアはもちろん、“裏方仕事”も必要ということだろう。
(中道薫/ノオト)

<出典>
※中小企業庁委託「日本の起業環境及び潜在的起業家に関する調査」2013年12月、三菱UFJリサーチ&コンサルティング

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