勤続10年の会社員が語る「長く働くメリット」

新社会人「勤続したい派」6割超

2016.03.03 THU


岡野一輝さん(株式会社ヤクルト本社 人事部)。2005年に入社後、宅配営業部へ配属。中日本支店宅配営業課勤務を経て、2012年に現部署へ異動。 写真:林和也
もうすぐ新社会人となる学生たちのなかには、これから自分が歩んでいくキャリアに大きな不安を抱いている人も多いはず。

大学4年生103人を対象に調査(協力/ファストアスク)をしたところ、約60%が「一つの会社で働き続けたい」と回答。そのほかの「転職」「起業」「復学・留学」の選択肢はすべて8割以上が「したいと思わない」と答え、堅実さが垣間見えた。

しかし現実は、新卒から10年間勤続している人は34%にとどまり、そのうち、半数を超える63%の人が転職を考えたことがあるという。では、1つの企業で働き続けている先輩社員は、どんなキャリアを描いているのだろうか?

お話を伺うのは、新卒から10年間ヤクルトで働き続ける岡野一輝さん。2年前には人事部人事課の主任となり、現在は採用担当として着実にキャリアを積んでいる。

「商品に愛着があり、入社当初から宅配営業を志望していました。最初の部署では宅配部門の営業企画に従事、中日本支店では、現場で多くのヤクルトレディと一緒に活動するほか、販売会社や拠点の訪問、スタッフ指導も行いました」

同社には入社後10年間で3部署を経験するジョブローテーション制度がある。岡野さんは3回目の異動で、人事部への配属となった。

「営業一筋のつもりだったので人事部への異動は驚きでしたが、新たなチャンスだと思いました」

これまでと畑の異なる部署に飛び込んだことで、見えてきたものがあるという。

「会社を代表して、応募者に自社の魅力を伝えて売り込む点で、採用担当の仕事は営業に通じるところがあります。また、現場の経験があるからこそ、当社で活躍できる人物像のイメージがしやすかった。この先また営業に戻っても、人事部で培った観察眼や指導力が、部下育成などに役立つと思います」

岡野さんがこの異動から得られたことは多く、「人事部にきて、会社が個々のキャリア形成を大切に考えていると気づきました」とも。ちなみに、一つの企業に勤め続けるなかで、岡野さんがこれまで転職を考えたことは…?

「頭に浮かんだことはありますが、行動に起こそうとは思いませんでした。自分の思い描く姿に近づけるなら、その環境で働き続ける選択肢もあります。入社直後は『なんでこの仕事?』と思うこともあるかもしれません。でも、まずは愚直に努力することが大切です」

働き続けるうちに、キャリアチェンジを考える瞬間が訪れることもあるかもしれない。そんな時は、今の環境で「なりたい自分」を実現できそうか、立ち止まって考えてみることも必要だろう。
(中道薫/ノオト)

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