ココイチ、マック、トヨタ…企業の謝罪対応から学ぶ!

プロ直伝!ビジネス謝罪5つの鉄則

2016.03.19 SAT


分からないことを無理に説明しようとすると命取りになりかねない。まずは、分かっていることだけを相手に伝えよう 写真:sasaki106 / PIXTA(ピクスタ)
企業の不祥事が発覚した時に開かれる「謝罪会見」。不用意な発言で事態を悪化させることがある一方、誠実な対応で逆に信頼を勝ち取ることも。謝罪のノウハウを学べば、一般のビジネスシーンにも応用できるかも? そこで、危機管理コンサルタントの白井邦芳さんに、近年の“謝罪成功事例”とともに、そこから学べる“謝罪の鉄則”を教えてもらった。

●CoCo壱番屋 廃棄物使い回し問題(2016年)
廃棄対象の冷凍ビーフカツを廃棄業者が横流しした事件。CoCo壱番屋のパート従業員が、偶然スーパーで転売品を見つけ、本部に連絡したことで発覚。そこから、60時間という全国に店舗を持っている企業の謝罪対応としては驚異的な早さで転売業者を特定し、情報公開に踏み切った。その7日後には、「廃棄するときには、店員を1人監視につける」といった具体的な防止策も発表。

⇒【鉄則1】謝罪は初期対応のスピードが勝負!
「この事例から学ぶべきは、謝罪までのスピードです。ビジネスマンの場合は、『ミス発覚から2時間以内』に相手のところへ直接謝罪に伺うのが理想ですね」(白井さん、以下同)。なお、業務中のミスでは、単身で訪問するのはあまり得策ではなく、“会社としての謝罪”を印象付ける意味で上司と行くのがベターとのこと。

⇒【鉄則2】社内での情報共有、明確な防止策を明示!
「とはいえ、単に早く謝ればいいわけではありません。事前に上司と情報共有を行い、ミスが起こった経緯と再発防止策を書面にまとめて謝罪時に提出することで、迅速に対応したことを示してください」

防止策を説明する際は、「今後ミスが起こらないよう尽力します」といった曖昧な言い方はNG。「ミスが起こらないよう毎週金曜15時に、商談内容をメールいたします」など具体的に伝え、相手が再発防止策の効果を確認しやすいようにすることが大切だそう。


●マクドナルド 賞味期限切れ食品問題(2007年)
賞味期限切れのサラダの販売、フライドポテトの油へのゴキブリの侵入など、安心・安全を揺るがす不祥事が次々に発覚した事件。広報担当者はただちに謝罪会見を行い、その後も毎日定時に記者会見を実施。「情報の隠蔽は一切しない姿勢」を前面に押し出したことで、メディアや消費者に好印象を与えた。

⇒【鉄則3】“進捗”&“スケジュール”を報告!
「ミスが起こり、対応の決定や事実確認に時間がかかる場合、『答えが確定するまで連絡は控えた方がいい』と、思いがちですが、連絡を先延ばしにすればするほど、取引先には『何もやっていない』と思われてしまいます」

例えば、「納品ミスの件は、現在確認中です。●日までに連絡します」など、細かいことでもよいので、こまめに連絡を入れ、どんなスケジュールで対応を進めているのかを伝えることが重要だ。


●TOYOTA 役員薬物問題(2015年)
TOYOTAが登用したばかりの外国人女性役員が違法な薬物を輸入したとして逮捕された事件。すぐに会見を開いた同社社長は「(まだ事件の全容が見えていないので)彼女を信じたい」と、発言。外国人役員登用制度の適否については明言を避けた。

⇒【鉄則4】ミスをした担当者を安易に代えない!
「この会見のポイントは、『問題を起こしたからといって、首切りしなかったこと』です。部下が問題を起こした際、担当者を代える場合も多いでしょう。でもそれでは、相手に『安易な方法で事態を収束させようとしている』というイメージを持たれることもあります。特にグローバル企業では、『人種の多様性』に直面し、問題が発生することもありますが、過剰反応せずに柔軟に対処することが重要ですね」

謝罪したうえで、ミスした部下を会社全体で支える姿勢を見せれば、会社としての信頼を勝ち取ることができるのだという。

⇒【極意5】曖昧な状況での言及は控える!
「謝罪の場での最大の失敗は『誤った事実を伝えてしまうこと』。自分と後輩の発言に食い違いが生じたり、思い込みで発言して後々に間違いだったと判明したりすると、会社としての対応の信頼性に懸念が生じます。謝罪前の打ち合わせはもちろん、後輩や部下には、日頃からホウレンソウ(報告・連絡・相談)を徹底させることが重要なんですよ」

ミスを完全にゼロにするのは難しい。その時の「謝罪力」こそ、ビジネスマンにとっては重要なスキルといえるだろう。
(キンモク星司/short cut)

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