チャレンジするときの“拠り所”を持っておく

スマイルズ遠山氏「子どものころからの夢を叶える術」

2016.04.25 MON

給料?やりがい? 30男キャリア相談所 > 個性派社長のお悩み相談室


(撮影=森カズシゲ)
会社員もしばらくやると、次第に仕事がマンネリ化する。何かに挑戦したい欲求が芽生えてくることもあるだろう。

「Soup Stock Tokyo」などを運営するスマイルズの遠山正道氏は、商社に勤めていた30代のある日、会社員でありながら「個展をやろう」と思い立つ。以降の人生は挑戦の連続。会社を立ち上げ、次々に新しい事業にトライしている。そうした挑戦の火種はいかにして生まれるのだろうか? 


商社に勤めながら絵の個展開催!「うまく説明できないことをやる」


三菱商事に勤めていた33歳の頃、遠山氏は自身の個展を開いている。仕事のかたわら1年間準備するなど、当時の本気をぶつけたものだったという。

「最初、やろう! と思ったのは『焦り』だったんですよ。このままサラリーマンやっていても、きっと自分は満足できないだろうなって。仕事がつまらなかったわけじゃなく、むしろ、とても優秀な部長が率いるユニークなチームで働かせてもらっていた。でも、三菱商事っていう名前に満足してしまっていて、上司がいなくなったり、会社がなかったりしたら自分には何も残らないんじゃないかって。『アンタは何なの?』っていわれたら何もない弱さ、物足りなさを感じたんです」

しかし、なぜ個展だったのだろうか?

「まあ、合理的な説明なんてできないんだけど(笑)。会社員をしながら何か新しいことをやるって、けっこう厄介ですよ。仕事のパフォーマンスが落ちたらツッコまれますし。でも、頭で真っ当に説明できるようなことは、上司とかいろいろ経験のある人から“真っ当に”打ち返される(=否定される)。そんななかでやるなら『どうして?』といわれても、うまく説明できないようなこと。そういうことのほうが、自分のなかの根っこの部分とリンクしているんじゃないかと思うんです。そういう自分のルーツをうまく言語化して、仕事にうまく結び付けられたらいい。私は『企業性と個人性』なんて言ってるんですけど」


「夢をすぐメモする」 今だってロックスターになりたいと思っている


会社の新規事業をおこすときも、内から湧き出る衝動がきっかけになるという。

「たいていお風呂に入っているときにアイデアが浮かびます。スマホとか、何も手に持てない状況だと自然に『考える』しかないんですよね。逆にいうと、頭だけで集中して考えている時間って1日のなかで少ないんだなって。でも衝動だけだと大体しんどいですね。言語化して、みんなに話して共感してもらえて、壁打ちして…それでようやく仕事になる」

挑戦のきっかけとなる火種は、多いほどいいと遠山氏。もし、何かの衝動に駆られたら、すぐに実行しなくてもいいからメモをとる。それが、未来の自分を突き動かすかもしれない。

「以前、自分の出身中学で話をしたときに『夢を100個書いて』って言いました。大人になって新しいことにチャレンジするときって、何か拠り所がほしくなるんです。『5歳のときからパン屋さんになりたくて、25年間夢見てます』みたいな(笑)。本当はずっと忘れてたとしても、周りには『子どものころからの夢で』と言える。そういう未来に向けてのタイムカプセルで、自分の背中を押すことに使っちゃう。それは大人になってからでもできることなんで、過去にチャレンジしたかった何かをいつでも引っ張り出せるように書き留めておいて、環境が整ったときにやったらいいですよ。

私は、子どものころはコーンフレーク屋になりたくて、今はスープ屋ですから、まあほぼ一緒だから実現しているのかなと。これからだって色んな可能性があるはずです。今だって密かにロックスターになれたらいいなと思うわけですし(笑)」

(榎並紀行/やじろべえ)
  • 遠山正道(とおやま・まさみち)

    1962年東京都生まれ。株式会社スマイルズ代表取締役社長。三菱商事時代、同社初の社内ベンチャーとして株式会社スマイルズを設立。2008年に100%株式を取得する。「Soup Stock Tokyo」、ネクタイブランド「giraffe」、新しいセレクトリサイクルショップ「PASS THE BATON」の企画・運営を行う。NYや青山などで絵の個展も開催

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