歌丸師匠『笑点』引退で注目が集まる今だからこそ!?

3噺を紹介!ビジネスで大事なことは落語で学べる?

2016.06.23 THU


最近は、初心者向けの落語イベント『渋谷らくご』も盛況だという。友達や彼女と一緒に落語を聞きに行くのもアリかも?
写真:keiphoto / PIXTA(ピクスタ)
桂歌丸師匠の『笑点』引退により、にわかに注目を集めている「落語」。最近は、500円で落語が聞ける「ワンコイン落語」や、23時までやっている「深夜落語」なども登場し、会社帰りに落語を聞きに行くビジネスマンも増えているとか。

「昔から、起業家や文化人、政治家などエリートと呼ばれる人の中には落語好きが多いんです。落語のネタでは、面白おかしく登場人物のキャラが強調されていますが、そこで繰り広げられる人間模様には、日常のビジネス場面にも通ずる教訓が詰まっているんですよ」

とは、『ビジネスエリートは、なぜ落語を聴くのか?』の著者で、企業のコンサルなどを行うオフィス・フォー・ユー代表の横山信治さん。そこで今回は、数ある落語ネタの中から「仕事に生きる落語ネタ」を教えてもらうことに!


■「貧乏花見」から“発想転換力”を学ぶ


【ネタのあらすじ】
貧乏長屋に住む男たちが花見に繰り出す話。しかし、貧乏で酒やつまみを買うお金もない彼らは“お酒の代わりにお茶を”“だし巻き卵の代わりにたくあんを”というふうに「代用品」でまかなおうとする。

【解説】
「この話が教えてくれるのは、ビジネス場面で環境が整っていなくても窮地をしのげるということ。ネタの中では、お金がなくても花見をしようとする連中を『酒もないのに行けるかい』と止める人もいるのですが、それに対して『心まで貧乏すなよ。こっちは酒盛りならぬ“茶(ちゃ)か盛り”や』というセリフが登場します。たとえば、自分が出した企画が『予算がなくてできない』と上司に言われても、そこで企画自体をあきらめるのではなく、予算内でできるように工夫したアイデアを出せばいいですよね。ネタの中には、おしゃれな服がないから裸に墨を塗って花見に現れる男も登場するのですが、笑われながらも『いい服着てんな~』と注目を集めるんです(笑)。足りない状況だからこそ、アイデアを練りに練ることができる。結果、人の目を引くことも多いと思いますよ」


■「牛ほめ」から“褒める”ことの重要性を学ぶ!


【ネタのあらすじ】
主人公は、とてもおバカな青年・与太郎。ある日彼は、父親に「家を新築したおじさんのところへ行って、いろいろなところを褒めてこい」と言われ、おじさんの家を訪れる。下手くそな褒め方をする与太郎だが…。

【解説】
「与太郎はおバカなので、トンチンカンな褒め方しかできません。おじさんが飼っている牛を褒める時は、あろうことか、牛のお尻の穴に注目してしまう始末…。それでも、一所懸命に家を褒める様子を見て、おじさんは上機嫌になります。ビジネス場面で上司を褒めると失礼になると思いがちですが、地位が上がって褒められる機会が少なくなっているぶん、『今日のネクタイ素敵ですね』など些細なことでも褒められると嬉しいんですよ。ただ、『営業トークが上手いですね』などとスキルを褒めると、上から目線になってしまう恐れもあります。『全然できないんですけど、どうすれば上手くなれるんですか?』と自分を下げる姿勢を見せるのが大切。このお話でも、与太郎のダメさ加減をおじさんが知っていたからこそ、下手な褒め方でも満足してくれるんですよ」


■「ちりとてちん」から“知ったかぶり”の末路を学ぶ


【ネタのあらすじ】
物知り自慢のイヤミな若旦那が主人公の話。若旦那を痛い目に遭わせてやろうと、周囲の人が腐った豆腐を「長崎名物の“ちりとてちん”」だと言って勧めると…。

【解説】
「今の世と同じように、知ったような顔をして知識自慢をする人は当然嫌われてしまうんです。お話の中で『知らない』と言えない若旦那は、腐った豆腐を食べるハメに…。食べた感想を聞かれた若旦那が『ちょうど豆腐の腐ったような味や…』というのが話のオチなのですが、“知ったかぶり”をやめられないせいで、自分がつらい思いをするだけでなく笑い者にまでされてしまうんです。ビジネス場面でも、見栄やプライドゆえに『わかります』『できます』と言ってしまう人は、結局できずに終わってしまうことが多く、評価を下げてしまいます。仕事がまだまだできない若いうちは特に、『知りません』『できません』と言える勇気を持つことが大切ですね」

面白おかしいお話を聞きながら、ビジネス場面で心に留めておきたい教訓が学べる「落語」。デキる男になるために聞いてみる?

(内田静穂/short cut)

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