つなぎ役、後輩思い、抜群のコミュ力…

「我が社にスカウトしたい!」 強豪高校の野球部員5選

2016.07.12 TUE


球児たちの個性豊かなエピソードの数々を知れば、今年の高校野球をもっと楽しめるかも…
写真:歌人/PIXTA(ピクスタ)
甲子園を目指し、熱戦続く高校野球。話題の中心といえば、昨夏、「スーパー1年生」として甲子園を沸かせた清宮幸太郎(早稲田実業)が外せない。その実力もさることながら、「生まれ変わっても、またこの先輩たちと野球がしたい」といった旨の泣かせるコメントでも好感を呼んだ。「こんなナイス後輩、我が社にも欲しい!」。そんなふうに清宮の活躍を見守ったサラリーマンもいるのではないだろうか。

百花繚乱の高校球児。清宮以外にも、我が社に欲しい、と唸りたくなる選手はまだまだいるはず。そこで、累計10万部超のベストセラー『野球部あるある』シリーズの著者で、全国の高校野球事情に詳しい“野球部研究家”菊地高弘さんに、思わず会社にスカウトしたくなる球児たちのエピソードを教えてもらった。

1)チームまとめる「いぶし銀」 大阪桐蔭・永廣知紀(3年・内野手)


菊地さんがまず挙げてくれたのは、甲子園常連校の大阪桐蔭で2番・セカンドを務める永廣選手だ。

「永廣選手は『高校球界の井端(弘和/現・巨人コーチ)』と呼びたくなる選手です。自分ひとりでも輝ける力がありながら、2番打者として進塁打や右打ちに徹するなど、他人を活かす術を知っています。常勝チームにこそ、こういった選手が不可欠。会社に入っても、きっとプロジェクトチームに欠かせない存在になると思います」

2)タレントチームの「クセ者」 横浜・渡辺翔(2年・内野手)


「西の井端」が永廣選手だとしたら、「東の井端」としてオススメしたいのが横浜高校の9番・ショート、渡辺選手だ。

「今年の横浜はセンバツ出場こそ逃しましたが、藤平尚真、石川達也らドラフト候補が何人もいる好チーム。そんなタレント揃いのチームにあって、つなぎ役になれる存在がこの渡辺選手。また、ここぞという場面では主役になる力も備えた“クセ者”ともいえます。彼がもしケガなどの理由でスタメンから外れるようだと、チームバランスが一気に崩れてしまうかも…。2年生でありながら、そんな心配をしてしまうほどの選手です」

3)厄介ごとも颯爽とこなす!? 上田西・草海光貴(3年・投手)


永廣、渡辺といった「いぶし銀」的なプレーヤーとは一線を画す「スーパー高校生」なら彼、と菊地さんが推すのが草海(くさがい)選手だ。

「昨夏も甲子園に出場し、無四球完封勝利を飾った好投手です。身長168センチと小柄ながら野球センスの塊。ショートを守らせても抜群のフィールディング能力があり、バッターとしてもミート力にも優れた、なんでもできる選手です。会社でどんな厄介な案件を任せても颯爽とこなしてしまう…そんなイメージをかき立ててくれます」

4)どんな苦難も乗り越える! PL学園・梅田翔大&土井塁人(3年・捕手&記録員)


今年限りでの休部が決まり、「最後の夏」として注目が集まるPL学園からも名前を挙げてくれた。

「現在の部員は記録員も含めて12人。試合形式の練習すらままなりません。そんな難しいチーム状況にあって、『PL最後の主将』として、また捕手としてチームを牽引しているのが梅田選手です。高校生でありながらこれほどのプレッシャーに耐えている梅田君なら、どんな難しいプロジェクトであっても耐えられるはずです」

そしてもうひとり、PL学園で注目したいのが記録員の土井塁人君だという。

「土井君は、実は今の3年生のひとつ上の代。1年時に白血病を患って長期入院していたため1年留年した経歴があります。そのため、今年は試合には出場できません。そんな状況であれば、去年、同い年のチームメイトたちと野球部を引退してもおかしくないのに、存続問題で奮闘する後輩たちのために部に残り、今年は記録員としてベンチ入りします。そんな後輩思いの人材、会社に欲しくはないでしょうか?」

5)コミュ力は全国トップ!? 日立一高野球部


最後に挙げてくれたのは特定の選手ではなく、茨城県の公立校、日立一高野球部全員、というセレクト。公立校といえども、昨夏の茨城大会準優勝。今年も十分、甲子園を狙える戦力があるという。

「日立一高が強くなった要因のひとつに、広告代理店に勤務する2人の卒業生を外部アドバイザーとして招聘したことが挙げられます。といっても、この2人は野球ド素人。アドバイスするのは野球の技術ではありません。モチベーションアップのための映像を作ったり、自分たちの強み・課題をまとめた小冊子やパワーポイントを駆使したセミナーを開催したりと、部員たちの意識改革を担っています」

その成果か、日立一高野球部はコミュニケーション能力に長けた部員ばかりだという。

「私も取材していて、大学生と話している錯覚を覚えるほど、考える力と自分の言葉で話す力に長けた部員ばかり。社会人としての能力は即戦力揃いだと思います」

怪物や天才球児だけの力では甲子園に辿り着けないのが高校野球の難しさであり、面白さ。思わず応援したくなる選手を探しに、ぜひ地方大会から球児たちの熱い戦いを追いかけておきたい。

(オグマナオト)

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