残業や長時間労働の美点を刷り込み?

テレビドラマに横行する“社畜の美化”に異論噴出

2016.08.02 TUE

噂のネット事件簿


企業リサーチサイト「Vorkers」が上場企業2341社を調査。残業時間の長さと株価上昇率の相関関係が明らかになった ※この画像はサイトのスクリーンショットです
政府などが懸命に労働時間の短縮や労働環境の改善を訴えても、一向に減らないのが残業や長時間労働。あるブロガーが、「ドラマの中で、残業や長時間労働が美化されている」と指摘し、現実世界との違和感を巡って議論となっている。

話題となったのは、はてな匿名ダイアリーに投稿された「テレビドラマの中でも『残業や長時間労働は素晴らしい』賛歌」というブログ記事だ。ブロガーは、『HOPE~期待ゼロの新入社員~』(中島裕翔主演。フジテレビ系)と、『家売るオンナ』(北川景子主演。日本テレビ系)の2本を取り上げ、

「男性が命じられた仕事を終わらせるため、自ら会社に泊まりこみ徹夜をするというシーンがあった。(中略)結果的に中々いい仕事をしたと上司は褒める。男性は喜ぶ」(『HOPE』)

「上司は1人の部下を電話で呼び出す。
『いますぐ来い」『えー今からっすか?』
恐らくその時点でとっくに定時は過ぎている。
(中略)結果として家は売れ、客も部下も満足して話は終わった」(『家売るオンナ』)

と、両作品の“問題点”をピックアップ。

「長時間労働がこんなにも当たり前のようにまかり通る社会は異常だと思う」
「小さい頃からこういうドラマばかり見ていると知らず知らずの内に
価値観の中に長時間労働=素晴らしいことだと刷り込まれてしまう気がする」

と、述べている。

言わずもがなだが、これらはすべてドラマの中での話だ。それゆえコメント欄には、

「ぜんぶひっくるめてファンタジーってことでひとつ」
「ドラマだと、定時でさっさと上がっちゃうと言うのだとストーリーに起伏がつかなくて話が成り立たないからなのではないかな、、、」
「残業なし・長時間労働無理、を基本としたドラマとか作ってみるのはどうだろうか。でも、ドラマ性は無くなるよね。ドラマって基本フィクションなんだから、ドラマの中の出来事って思えるかどうかにかかる」

と、「あくまでもフィクション」という意見も寄せられている。しかし一方では、

「言われてみたらそうだね。感覚麻痺してたわ」
「コレよく思う。お仕事マンガなんかでも仕事で徹夜した達成感とか描かれると、いいシーンでも酔えない」
「下町ロケットにもそういう描写があったなぁ。ドラマ自体は面白かったけどモヤった」
「そういうドラマがウケるということが日本の努力信仰の根強さを端的に示しているよね」

など、ブロガーの指摘に賛意を示すコメントも数多く寄せられている。確かに綺麗事ばかりを描いたのではドラマは成立し得ないが、根性論を過剰に持ち上げるのが時代の流れに逆行しているのも事実。ブロガーが指摘した残業や長時間労働の美化とに対する違和感は多くの人に響いたようだ。

(金子則男)

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