「理解力&記憶力」も活性化?習得トレーニング方法も紹介

「速読」はビジネスシーンでも役立つ?カギは視読

2016.10.20 THU

会社では学べない!ビジネスマン処世術

内容を理解したうえで2~3倍の速度で読むことを目指すのが速読トレーニング。いわゆる「パラパラめくって読む」のは斜め読みや飛ばし読みにあたり、日本速脳速読協会の速読とは異なるという
画像:花火 / PIXTA(ピクスタ)
文章を速く読みこなす、いわゆる「速読」のスキル。身につければ仕事にも役立ちそうだが、“速いだけで内容をしっかりは理解できない”といったイメージもある。果たして速読で、本当に内容を理解できるものなのだろうか?

日本速脳速読協会の古家隆志氏によれば、「当協会が推奨している速読は、斜め読みや飛ばし読みではなく、しっかりと内容を理解したうえで速度を上げる方法です。週3日、1年程度のトレーニングを積めば、2倍から3倍の速度で文章を読むことができるようになります」とのこと。

一般的な人の文章を読むスピードは1分間に400~600文字程度で、原稿用紙1枚~1枚半分。それが、速読トレーニングを行うと1分間に1000~1500文字を読むことができるという。して、その方法とは?

「大半の人は、一文字ずつなぞって頭の中で音声化する『黙読』で文章を読んでいますが、速読では文章をかたまりで捉え、同時に内容を理解する『視読』という読み方を用います。これは、訓練すれば誰でも身につけられるものです」

では、特に速読に適した文章、あるいは不向きなジャンルはあるのだろうか? なんとなく小説よりは新書やビジネス書などのほうが適していそうなイメージだが。

「特にこれといった向き・不向きはないと思います。小説なども速読だと物語の味わいを十分に感じられないのではと思われがちですが、そんなことはないですよ。当初はまず見るスピードが上がり、遅れて理解度が伴ってきますので文章の内容もしっかり把握できます。スピードに慣れてくると、脳はその環境に順応していきます」

これは脳の「可塑性」(かそせい。外部からの刺激に柔軟に順応する性質)という働きによるものだという。また、速読は単に速く読むスキルを上げるだけでなく、脳機能をはじめ様々な能力の活性化を呼び起こすようだ。

「脳細胞は、様々な部分が互いに連携しながら知覚や判断を行っています。そのため『見る』という一部の能力が活性化されると、その他の『思考』『理解』『記憶』『感性』といった領域にも波及効果が生まれます。思考や決断が速くなることも期待できるので、ビジネスシーンでも大いに役立つはずです。もちろん、内容をしっかり捉える速読なので、会社や部署、業務内容による向き・不向きもありません。単純に読むスピードが上がれば、資格試験の勉強やビジネス書での学び、メールの処理、会議資料の読み込みなど、いろんなメリットが考えられると思います」

ちなみに、トレーニングソフトを使わなくても自宅で速読のスキルを鍛える方法もあるという。

「まず、日ごろから眼筋(がんきん)を鍛えるトレーニングをしておくといいでしょう。両手の人差し指を肩幅くらいの感覚で前に突き出し、目だけを素早く動かして指先を左右交互に見ると瞬間的に目を動かす筋力が鍛えられます。また、新聞の2~3行をかたまりで瞬間的に視野に入れて読むように意識すると、少しずつ速読の読み方(視読)が身についてくると思います」

筆者も1週間ほど、普段のメール文書を読む際に「かたまり読み」を心がけ、仕事前のウォーミングアップに眼筋トレーニングを取り入れるようにしてみた。トレーニングはやりすぎると疲れるが、1分くらいなら目と頭が冴えるので、「速読はちょっと…」という人にもおすすめ。肝心のメールを読む速さは…さすがに変わらなかったが…。ただ、いずれも習慣づけるのは簡単なので、興味のある方は速読の入門編として取り入れてみるといいかもしれない。

(榎並紀行/やじろべえ)

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