本当に3年勤めるべき? 個性派社長たちの仕事論

遠山正道×森川亮×岩下和了が答える 新社会人の悩み

2017.03.04 SAT

フレッシャーズ 生活白書「R22」

株式会社スマイルズ 遠山正道代表取締役社長 1962年東京都生まれ。三菱商事時代、同社初の社内ベンチャーとして株式会社スマイルズを設立。2008年に100%株式を取得する。「Soup Stock Tokyo」、ネクタイブランド「giraffe」、新しいセレクトリサイクルショップ「PASS THE BATON」、コンテンポラリーフード&リカー「PAVILION」を展開
希望を持って就職したものの、直面する壁にひるみ、意欲を失うこともある。仕事にまつわる新社会人の悩み・不安に対し“個性派社長”が三者三様の意見を語る!

Q1 やりたいことが分からないまま就職仕事に「夢」が持てなそうです…


就職活動時から特にやりたいことがなく、“なんとなく”で選んでしまった今の会社。スタートがこれでは、この先いつまで続けられるか不安です。前向きに楽しく、できれば夢を持って仕事をするためにはどうすればいいですか?

A1(遠山氏) まず、僕は世の中につまらない仕事なんてないと思っています。お茶くみひとつにしたってそう。それって多くの人が“やりたくない仕事”ですよね。でも、会社据え置きのものを漫然と出すのではなく、たとえば変わった風味の珍しいお茶を探して淹れてみる。すると、それに気づいた上司との会話の糸口になったり、顔を覚えてもらえたり、小さい評価につながるかもしれません。どんな仕事もそうして自分なりの「発意」を加えると、楽しめるようになります。むしろ、上司のハンコ(承認)がいらないレベルの小さい物事のほうが自分のアイデアを盛り込みやすく、やりがいにつながる余地があるのではないでしょうか。

会社員って上司から与えられたお題目を守ることだけが全てじゃないと思うんです。降りかかるミッションを普通に返すのではなく、お題を凌駕するところに面白さがある。常に期待を超えていく人間にはより高度なお題が与えられるし、情報やサポートも集まってきます。

Q2 望まない部署に配属されても3年は勤めるべきでしょうか?


クリエイティブな職種を希望していますが、最初は営業に配属されそうです。よく「どんな仕事も3年間は続けるべき」と聞きますが、望まない部署に配属されてしまった場合でも我慢して続けるべきなのでしょうか?
C CHANNEL株式会社 森川 亮代表取締役社長 1967年神奈川県生まれ。筑波大学卒業後、1989年に日本テレビ入社。ソニー、ハンゲームジャパンなど(現・LINE株式会社)を経て、2013年にLINE株式会社代表取締役社長に就任。2015年に退任し、C CHANNEL株式会社を設立。著書に『シンプルに考える』(ダイヤモンド社)がある
A2(森川氏) 会社はその人の適性を見て配属先を決めます。たとえば、コミュニケーション力に優れフットワークが軽い人は営業向き、思慮深く考えたり、データ分析が得意だったりするアイデアマンは企画向きと判断されるかもしれません。しかし、時には長期的に成長してもらうために、あえて適性と異なる部署に配属するということもあり得るでしょう。配属先が希望と違っても、それはあなたを軽んじているのではなく、期待の表れといえるかもしれません。

いずれにせよ、望まぬ部署に配属されたとしてもそこで腐ることなく、ナンバーワンを目指して頑張ることは決して無駄になりません。たとえば、営業で得たお客様のニーズや人脈は、クリエイティブな仕事に異動しても役立ちます。まずはそこで基礎能力を磨き、そのうえで社内・社外にかかわらず公募案件に挑戦するといいのではないでしょうか?

Q3 モチベーションって必要ですか? 仕事への「やる気」を出す方法は?


学生時代から勉強や部活に熱中するタイプではなく、何事においてもモチベーションが低いのが悩みです。仕事って、そんな僕でも長く続けられるものなんでしょうか? もし「やる気」を高める方法があれば教えてください。
岩下食品株式会社 岩下和了代表取締役社長 1966年栃木県生まれ。慶応義塾大学卒業後、住友銀行(現・三井住友銀行)を経て、1993年に岩下食品へ入社。2004年、代表取締役に就任(現任)。趣味は音楽鑑賞。新生姜をテーマにした珍妙な展示物が話題を呼んだ、「岩下の新生姜ミュージアム」の館長も兼務する
A3(岩下氏) やる気出さなきゃ! と無理に思っても、そういう「やる気」はなかなか持続しないものです。ならばヘンに絞り出そうとしないほうがいい。どうせ「やらなくちゃいけないこと」はモチベーション云々関係なくやることになるのです。とっとと片付けましょう。それはもう「やる気」を問題にする次元の話ではないので。

もともと「モチベーションが低いタイプ」とのことですが、義務感のない趣味・活動の中で、楽しさや感動を覚えた経験はあるでしょう。それこそが、最も自然な「やる気」の基礎。好きなこと、素直に良いと思うことを大事にしてください。それに関連する物事であれば、自然と身体が動きます。何かを好きになれることは、それ自体が能力です。仕事で自信を失った時も、本当に愛しているものが苦しみから救い出してくれる。それは、付け焼き刃のやる気以上に尊い、「生きる力」ではないでしょうか。

3人意見は違っても、自身が通ってきた道をふまえたアドバイスは重く、力強く、それでいて温かい。壁に悩んだときには、ぜひ思い出してほしい。
(榎並紀行/やじろべえ)

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